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再び選ばれる学校に 学芸大付属高、常勤校長の挑戦 東京学芸大付属高校の大野弘校長に聞く

2018/11/4

東京学芸大付属高校の大野弘校長

東京学芸大付属高校が教育内容のさらなる充実や、開かれた学校の実現に向けた改革を推し進めている。2016年11月に、生徒間のいじめがありながら国への報告を怠っていた問題が発覚。都立高や私立の中高一貫校が難関大学への進学実績を上げるなか、存在感の低下を指摘する声も上がる。信頼を回復し、選ばれる学校をどう目指すのか。17年4月、都立戸山高校の校長から転じた大野弘校長に1年半の改革の成果を聞いた。

■生徒の質問の多さに池上彰氏も驚く

「クーデターと革命の違いは何ですか」「タイでは国王と国軍は国政にどう関わっているのでしょうか」――。

18年10月初め、学芸大付属高はジャーナリストで東京工業大学特命教授の池上彰氏を招いた特別授業を2日にわたって開いた。テーマは東南アジアの政治経済の現状について。「生徒たちは日ごろの勉強の成果を試そうと次々に手を挙げ、池上先生は『こんなに質問が多い学校は珍しい』と驚いていた」。大野氏は手応えを語る。

池上氏を招いたのは大野氏の発案だ。赴任前の5年間校長を務めた戸山高でも講演してもらったことがあり、「外からの刺激で生徒の好奇心や学習意欲を引き出す」狙いがある。池上氏以外にもボランティア活動家ら様々な分野から講師を招いており、「ほぼ毎週のように何らかのイベントが行われている」という。

大野氏は同校の歴史で初めての常勤の校長だ。以前は学芸大の教授が兼務し、非常勤だった。常勤化した直接のきっかけは、いじめの問題。被害にあった生徒は手首の骨折や脳振盪(しんとう)を起こしていたが、学校側は適切な対応をとらず、文部科学省への報告も遅れたことから、管理体制の強化が求められたのだ。東京都教育委員会の課長も務めるなど、学校教育の現場に精通した同氏に白羽の矢が立った。

再発防止のため、大野氏は自らを委員長とする「いじめ防止対策委員会」を週1回開催。問題の予兆を捉える手段として、生徒がスマートフォンなどを使い、匿名で通報できるシステムも導入した。心理相談の専門家であるスクールカウンセラーが週3日来校し、生徒や教師との面談、保護者訪問などを実施する取り組みも始めた。「いじめが発生していないかどうかを迅速に把握し、対応する体制は整備できた」

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