ほぼ日・糸井重里社長の経営とは? 濃密な対話で探る青山ブックセンター本店

糸井氏の語りはふわふわしている。それでも事業についても組織についても、自分の好き・嫌いに照らしながら考え抜いた感じが伝わってくる。事業のベースは「人によろこんでもらえるか」、行動指針は「やさしく、つよく、おもしろく」。拍子抜けするくらいわかりやすい言葉だが、そこにはほぼ日で仕事をするうちに積み上がった思考がある。

「考えたり立ち往生したり」を語る

上場を意識したきっかけも、チームをつくれる人も増え、手づくりが得意な会社として形が整ってきた10年ほど前、「どこか違うんじゃないの」というトゲが引っかかるようになったというようなことから話し出す。「このままでは小さいサイズの中で、ほんの一部分のサイクルがうまく回るだけで、いずれはユニークな無形文化財のようになってしまうかもしれない」。会社のサイズ感と仕事の広がり、さらに社会的役割……そのようなことを考えるうち、上場という選択肢が見えてくる。チームで仕事をするということを続けるうちに上場企業という形に向かっていく歩みと思考が解きほぐされていく。

糸井氏自身、「あとがきにかえて」の中で、「じぶんのような人間が、知らず知らずのうちに考えたり立ち往生したりしながらやってきたことも、それなりに『経営』だったのではないか」と語っている。その「考えたり立ち往生したり」が会社で仕事する多くの人に新しい働き方や組織を考える上で大きな刺激を与えてくれそうだ。「入荷直後からすごく反応がいい」とビジネス書を担当する中田麻美さんは話す。

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