チェック柄をオフィス服に 格子大きめ、色数少なめで
宮田理江のファッション戦略論
この秋冬に一段と盛り上がりを見せそうなのがチェック柄アイテム。新顔のチェック柄はオフィスで浮きにくいのも特徴です。チェック柄でお仕事ルックをバージョンアップする方法を、ファッション・ジャーナリストの宮田理江さんが紹介します。
2018-19年秋冬シーズンにはチェック柄アイテムが一段と盛り上がりを見せそうだ。「格子が大きめ」「色数少なめ」など、オフィスで浮きにくい新顔のチェック柄は、お仕事ルックに程よくクラシック感や洗練をもたらしてくれる。トラッド系ブランド「NEWYORKER(ニューヨーカー)」の新作をヒントに、上手な取り入れ方を押さえていこう。
チェック柄スカートはシックな「非直線モチーフ」で
チェック柄と一口に言っても、実は種類が多い。直線が交わる格子柄のイメージが強いが、千鳥格子(ハウンドトゥース)やひし形(アーガイル)もチェック柄のバリエーション。柄が細かい千鳥格子は落ち着いた表情を帯びるから、職場でも違和感を招きにくい。
サイドから背面にかけてプリーツを配したデザインも「きちんと感」を漂わせる。モノトーンやグレー系を選べば、シックな着映えに。トップスとカーディガンのアンサンブルも穏やかなムードを醸し出してくれる。
チェック柄パンツは色数抑え、濃淡で動き
色の濃淡を格子柄と組み合わせた「オンブレーチェック」は、少ない色数でも動きを出せるから、お仕事ルックにぴったり。裾に向かって細くなるテーパードパンツは、くるぶしがのぞくクロップド丈に仕立てれば、さらに細感を強調できる。
チェック柄が醸し出すトラッド風のムードを生かして、ボウタイブラウスで品よく整えて。キャメルカラーのステンカラーコートは英国テイストの大人っぽさと、自然な落ち感を寄り添わせてくれる。Vネックのカーディガンもオフィスになじみやすい。
チェック柄ニットトップスでソフトな人柄を演出
2018-19年秋冬シーズンはニットウエアの存在感が高まる。シャツやブラウスが主役だったオフィスでの長袖トップスもニットに変えれば、ソフトな風情に。複数の色を重ねる、注目の新トレンド「マルチカラー」もチェック柄と組み合わせやすい。
オータムカラーのコートを重ねれば、さらにカラーミックスを重層的に組み立てられる。センタープレスを利かせたワイドパンツは仕事場にふさわしいキビキビ感を呼び込む。
チェック柄ストールやスカーフはエレガントムードのアクセントに
秋本番からはストールの出番。ボリュームのあるストールでも、チェック柄なら端正なイメージにまとまる。すっきりしたきれいめルックにも、主張し過ぎないチェック柄が程よいクラシック感を添える。全体を同系色でまとめる「ワントーン」の装いはオフィスに溶け込む。穏やかでありつつ、エレガンスを感じさせるワントーン・コーデで、チェック柄は絶好のアクセントになってくれる。
こちらのチェック柄スカーフはペイズリーが交じったミックスタイプ。2種類のモチーフが響き合って、着姿を単調に見せない。首に巻く他に、バッグに結んだり、腰から垂らしたりと、アクセサリーのように使えるのも、スカーフやストールの魅力。柄ミックスのタイプなら、一段と表情を深くできる。
チェックを取り入れてオフィスでの装いに変化を
18-19年秋冬の「ニューヨーカー」は、従来の常識にとらわれないトラディショナルスタイルを提案している。ニューヨーカータータンに象徴される、伝統的なブリティッシュテイストを生かしながらも、型にはまらない着こなしに誘う。オフィスの装いもつい、ワンパターンに陥りがち。手持ちのワードローブに、新顔のチェックアイテムを加えたり、チェック柄の生かし方を変えたりするだけで、トラッド調の品格コーデに仕上げられるから、秋冬ルックのバージョンアップに役立てたい。
(画像協力 ニューヨーカー)
ファッションジャーナリスト、ファッションディレクター。多彩なメディアでランウェイリポートからトレンド情報、スタイリング指南などを発信。バイヤー、プレスなど業界経験を生かした、「買う側・着る側の気持ち」に目配りした解説が好評。自らのテレビ通版ブランドもプロデュース。セミナーやイベント出演も多い。 著書に「おしゃれの近道」「もっとおしゃれの近道」(ともに、学研パブリッシング)がある。
[nikkei WOMAN Online 2018年10月6日付記事を再構成]
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