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昔の病ではない結核 日本は中蔓延国、年1万7000人 Dr.今村の「感染症ココがポイント!」

2018/10/26

写真はイメージ=(c)PaylessImages-123RF
日経Gooday(グッデイ)

気になる感染症について、がん・感染症センター 都立駒込病院感染症科部長の今村顕史さんに聞く本連載。今回は「結核」について話を伺った。結核と聞くと、「昔の病気」というイメージを持つ人も多いかもしれない。だが、今なお世界の人口の約3分の1が感染、日本でも年間約1万7000人が新たに発症しているという深刻な病気だ。今年9月26日には、国際社会が結核への対策を検討する世界初の会合が、国連本部で開催された。結核に関する正しい知識を知っておき、感染のリスクに備えておこう。

【ココがポイント!】
●国内では年間約1万7000人が結核を発症。世界でも「中蔓延(まんえん)国」となっている
●日本の結核患者は高齢者の割合が多く、若い世代では外国生まれの人の発症が増えている
●結核を発症するのは、感染者の約10%。そのうちの5%は感染から1年以内に発症し、残りの5%はそれ以降、一生のうちのどこかで発症する
●結核の感染経路は「空気感染」。感染者と同じ空間にいるだけで感染するリスクがある
●特徴的な症状は2~4週間以上、長引く咳(せき)。微熱や寝汗などを伴うことも
●加齢や免疫力の低下のほか、免疫を低下させる可能性がある薬物治療によっても発症しやすくなる
●2~4週間以上、咳が続いて治らないときは、結核の可能性も疑って、医療機関を受診する
●咳が続いているときは、マスクをする習慣をつける

■日本は今も「中蔓延国」 年間約1万7000人が新たに発症

――「結核」と聞くと、昔の病気というイメージを持つ人も多いようです。最近も、戦前から高度成長期の大阪を舞台にしたNHKの朝の連続テレビ小説「まんぷく」で、主人公の姉が結核を患い、専門病院に入院するエピソードがありました。

結核は明治時代から大きな流行があり、1950年(昭和25年)ごろまでは日本人の死因の1位だったこともある病気です。当時は「不治の病」として恐れられ、映画やテレビドラマなどで描かれることも多かったことから、昔の病気というイメージが強くなっているのかもしれませんね。

しかし、結核は決して、昔の病気ではありません。現在の日本は衛生環境が良くなっているため、徐々に減ってきてはいるものの、今でも年間約1万7000人が新たに結核を発症し、約2300人が亡くなっています[注1]。2017年の結核罹患率(人口10万人対)は13.3で、世界で見ても、日本は「中蔓延国」(※10以下で「低蔓延国」)と位置付けられています。

――日本でもいまだに多くの人が、結核を発症しているんですね。結核の発症に見られる特徴はありますか?

大きくは2つの傾向があります。1つは、高齢者の割合が多いこと。2017年の結核登録者情報調査年報集計結果によれば、新規に結核を発症した人の約70%は、60歳以上が占めています。

出典:「平成29年 結核登録者情報調査年報集計結果について」

もう1つは、若い世代では、外国生まれの人の発症が増えていること。特に20代では、外国生まれの人の割合が62.9%と、日本人よりも多くなっています。

出典:「平成29年 結核登録者情報調査年報集計結果について」

[注1]平成29年 結核登録者情報調査年報集計結果について

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