同様に、睡眠時間が10時間以上の人の認知症リスクは参照群の2.23倍で、死亡のリスクは1.67倍でした。認知症のタイプがアルツハイマー病だった人、血管性認知症だった人を分けて、それらの発症と睡眠時間の関係を調べても、同様の関係が認められました。

最後に、認知症と死亡のリスクに睡眠薬の使用が及ぼす影響について検討しました。睡眠時間は問わずに、睡眠薬を使用していた人を1つのグループとして、睡眠時間が5時間~7時間未満で睡眠薬を使用していなかった人々と比較したところ、認知症のリスクは1.66倍、死亡のリスクは1.83倍で、いずれも統計学的に有意なリスク上昇が見られました。

今回得られた結果は、高齢者の認知症と死亡の予防において、適切な睡眠時間を維持することが重要であることを示唆しています。

論文は、2018年6月6日付のJournal of the American Geriatrics Society誌電子版に掲載されています[注1]

[注1] Ohara T, et al. J Am Geriatr Soc. 2018 Jun 6. doi: 10.1111/jgs.15446.

大西淳子
 医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

[日経Gooday2018年10月9日付記事を再構成]

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