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ラグビー主将も東大へ 本郷高校、補習減で自主性育む 本郷中学・高等学校の佐久間昭浩校長に聞く

2018/10/21

中学で実施する数学の合同授業もユニークな試みだ。年5回、1年生と2年生を半数ずつ交ぜたクラスをつくり、同じ教材で勉強する。1年生に負けないよう、2年生に勉強を促すだけではない。1回目はゴールデンウイーク明けに実施する。5月下旬に1年生は初めての中間テストがあるため、2年生との交流を促し、テスト対策の仕方など先輩の経験を後輩たちに伝えてもらうためだ。同様に、本数検や文化祭など今後の学校生活についても先輩から後輩へ伝えてもらう。

■保護者が生徒にゲーム業界の仕組みを解説

ラグビーをはじめクラブ活動に力を入れる=本郷学園提供

生徒が自主的に学ぶ、あるいは生徒同士が教え合うことで、教師は授業の進め方や試験の問題づくり、データ分析などに時間をかけられる。「大きな改革をやったわけではなく、こうした地道な取り組みが進学実績につながっている」。佐久間氏は強調する。さらに、こうも付け加える。「進学実績ばかりを追っているわけではない。勉強以外の活動にも力を入れるよう指導している」

いろいろな経験を積む中で、将来どんな道に進むのか、選択肢の幅を広げてほしいとの思いが根底にある。もちろん、高3までクラブ活動をして大丈夫かと心配する保護者も少なからずいるそうだ。「子供が試合で勝つと『また受験勉強が遅れますねえ』と心配する一方で、どの保護者もその表情はどこかうれしそう」。結局、子供が選んだことだから、と保護者は最後の試合まで全力で応援するのだという。

大学の先まで見据えた教育方針については、保護者の理解や協力が得られているようだ。それを示すのが、中学生の夏期講習。かつては英語や数学などの教科講習や補習授業を行っていたが、10年ほど前から保護者を講師に迎えての教養講座に衣替えした。例えば、経営コンサルタントとして働く父親は、任天堂やソニーのゲーム事業の戦略について、子供でもわかるように解説。建築士の母親は家がどうやって建つのか、図解入りで説明してくれた。「いずれも子供たちは目を輝かせて聞き入っていた。教師にはとても無理で、大変ありがたい」

教養講座は図らずも、生きたキャリア教育にもなっている。「10年、20年後、どんな能力を身に付けていれば安心かなんて、誰にもわからない。でも確実にいえるのは、学び続ける人が強いということ。そして、人と人とのつながりや、相手を思いやる心の大切さは変わらないこと。クラブや委員会など学校での様々な活動を通じて、その姿勢を身に付けてほしい。だから文武両道は譲れない」。佐久間氏は力強く言い切った。

(村上憲一)

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