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次世代リーダーの転職学

会社員の56%「転職に前向き」 過熱する市場のリスク ミドル世代専門転職コンサルタント 黒田真行

2018/10/19

求人が減るだけではなく、固定費を下げるためのリストラが強化され、さらに求職者が増加する悪循環が発生するので、景気がマイナスに反転すると、好景気の人手不足時代には考えられなかったような苦境に陥る人が続出することになります。

転職しやすい市場か、条件がいい求人が多いかといった外部環境は、キャリア構築にとってきわめて重要な要素です。就職氷河期時代の就活生のように、本人の責任ではなく、環境とタイミングだけの問題で、世代まるごとが働き方に苦労するケースもあります。しかし、「転職しやすい条件が整っている」という環境は、転職のトリガーにはなりえません。あくまでも「自分のモノサシでどうキャリアを構築していくか」という戦略ありきであるべきだと考えています。

■転職は手段、充足感が持続する状態を

キャリア形成で最も重要なことは「仕事人生で得られる充足感が持続できる状況」を作ることです。転職するか、今の会社で頑張り続けるか、場合によっては起業するか、などの選択肢は、どれも手段にすぎません。

仕事での充足感が持続できることが大切。写真はイメージ=PIXTA

40歳や50歳という大きな節目ごとに、仕事人生のゴールをイメージして、そこまでの経路を構想することは重要です。構想はあくまで構想なので、予定外のことや、自分の価値観が変化すれば修正していくことを前提に、多少遊びを持った設計にしておくことをお勧めします。

そして、仮置きで作ったゴ-ルイメージから逆算して残りの年数をどう過ごしていくのか、キャリアを通じて充足し続けられる環境を自ら作り出していければ理想的です。その際、自分自身の身体や心理、また、子育てや親の介護、加齢が自分自身にもたらす影響などをできる範囲で想像して、その先の時間軸の中で、自分の価値観がどのように変化するかを織り込んでおけると、ブレ幅は少なくなるはずです。

さらに余裕があれば、「松(順調)」「竹(中庸)」「梅(逆境)」というように、楽観シナリオと悲観シナリオの幅を想定し、もし予定通りに進まなかった場合に、どんな条件になったらどんな手を打つかを決めておければ、不測の事態に備えているという安心感が高まるはずです。

もしゴール設定がうまくできないとか、自分なりのキャリアがうまく描けないという場合は、自分自身をリセットする作業が必要かもしれません。経営コンサルタントの大前研一さんの有名な言葉にこんなものがあります。

人間が変わる方法は3つしかない。
1番目は時間配分を変える。
2番目は住む場所を変える。
3番目は付き合う人を変える。
この3つの要素でしか人間は変わらない。
最も無意味なのは「決意を新たにする」ことだ。

自身のキャリアやゴールのイメージを自分なりに想像できない状況に陥っている方には、かなり効果を発揮する言葉ではないでしょうか。外部環境に揺さぶられず、ぜひ自分なりのモノサシで不透明な時代を生き抜く準備を進めていただければと思います。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜更新です。この連載は3人が交代で執筆します。

黒田真行
ルーセントドアーズ代表取締役。日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。1989年リクルート入社。2006~13年まで転職サイト「リクナビNEXT」編集長。14年ルーセントドアーズを設立。著書に本連載を書籍化した「転職に向いている人 転職してはいけない人」(【関連情報】参照)など。「Career Release40」http://lucentdoors.co.jp/cr40/

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