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キャリアの原点

彼女がなぜウルグアイ大使に 元ゴーン専属広報の転身 日産フィナンシャルサービス 執行役員 田中径子さん(下)

2018/10/16

おちゃらけ好きの気質がキャリアにマッチしていたと、田中径子さんは自己分析する

日産自動車でカルロス・ゴーン氏の初代専属広報を務めた田中径子さんのキャリアは、日産を離れた後も起伏に富む。2011年からの3年間はグループ企業で部品メーカーのジヤトコに出向した。同じ広報という仕事でも、有名企業とはかなり異なる部品メーカーで、別の経験を積んだ。極め付きの「規格外」は駐ウルグアイ日本大使への就任だろう。ドラマチックなキャリアの変遷を支えたのは、何事にもポジティブな生来の気性だった。(前回の記事は「ゴーン氏も説き伏せた 「すご腕」女性広報の対話力」

■同じ広報でも180度違う環境に放り込まれる

ジヤトコという社名を見聞きしたことがある人はそう多くないかもしれない。日産だけでなく国内外多数の自動車メーカーに変速機などの部品を提供しているメーカーだ。ただ、非上場で本社が静岡県富士市にあり、消費者と直接の接点を持たないBtoB企業でもあることから、一般的な知名度はそれほど高くない。

「日産にいたときは、自社のニュースが全国紙に載ることを当たり前のように思っていました。ところが、ジヤトコに行ったら大違い。ブランディングもコーポレートアイディンティティー(CI)もないような状態で、全国紙や経済誌に社名が載ることも、ほとんどありませんでした」

黙っていても取材依頼が押し寄せる状況から、どうすれば記者たちに注目してもらい、取材してもらえるのかを考えなくてはならない世界へ。同じ広報の仕事をするのでも、180度違う環境に放り込まれた。

ジヤトコを売り込むにあたり、役に立ったのは、日産で企業広報を担当していたころの人脈だ。さらに、開発した技術にどんな価値があり、業界にどんな影響を与えるかをわかりやすく担当記者に説明した。自社のことが全国紙や経済誌に載った日のジヤトコ社員の喜びようは格別で、「日産で広報をやるよりもやりがいがあるなと思いました」と田中さんは振り返る。

広報の実績が認められ、13年、田中さんはジヤトコのVP(執行役員待遇)に昇格。それまでなかった同社のブランドアイデンティティーを策定したほか、国内外で働く幹部従業員に対するブランド教育も手掛けた。広報担当者の専門スキルを向上させるため、外部の資格試験も取り入れた。資格の取得は担当者のモチベーション向上にも寄与したという。

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