WOMAN SMART

キャリア

働き盛りの女性のがん 時短や在宅勤務、企業も支援

2018/10/9

転移も乗り越え管理職として働くテルモの小山田さん(東京都新宿区)

 医療の進歩でがんは長くつきあう病気になってきた。このため、働きながら治療ということも。特に女性がなりやすい乳がんなどは働き盛りに患うことも多い。内閣府の「男女共同参画白書」は2018年版で初めて「女性とがん」に注目、検診受診率の向上や治療と仕事の両立が重要だと指摘する。柔軟に働ける職場づくりが求められている。

 働く人が、がんと診断された場合、職場に伝えるかどうか悩むことも多い。国立がん研究センターの高橋都・がんサバイバーシップ支援部長は「病気を職場で完全に伏せているのは調査で1割程度。実態はもっと多いだろう」とみる。病気への偏見や人事評価を懸念し、黙って有給休暇などで治療する人もいれば、離職してしまう場合もある。

■アフラック、「シフト勤務」や「療養短時間勤務」

 保険や医薬・医療機器など病気と関わる事業を手掛ける企業は、社員のがん治療を支える仕組み作りが進んでいる。アフラックのショップ支援課コンサルタント、辻恵美利さん(51)は16年9月、乳がんの診断が確定。仕事は店舗の接客向上のための研修の講師で地方出張もあり「日程調整が必要」と、がんの疑いがあると知った時点で上司に伝え、診断確定後に同僚らに部署の打ち合わせで話した。「仕事は辞めないでという医師の助言もあり、退職は選択肢になかった」と辻さん。

 今は地方出張は免除。3カ月に1回、経過観察で受診しながら講師として活躍する。治療中は仕事はおろか「涙しか出ない日」もあった。手術後は体力もなく、腕が上がらないなど後遺症にも苦しんだ。復帰できたのは「様々な働き方を選べたことと上司の対応が大きい」と話す。

 半年ぶりの本格的な仕事再開で助かったのは勤務時間をずらせる「シフト勤務」や「療養短時間勤務」。当初から「大丈夫」と笑顔で支えてくれた上司は資料作りや、病気体験をまとめる作業も在宅勤務と認めてくれた。

アフラックの辻さん(左)は、がんを体験した社員同士のコミュニティーに参加する(東京都千代田区)

 「会社にいろいろな働き方の仕組みがあると分かった。体験を伝えて恩返ししたい」。辻さんは復帰後、17年12月に発足した、がんを体験した社員のコミュニティー「オールリボンズ」に加入した。

 活動の柱の一つは、不安や悩みを同じ立場で支え合うピアサポート。「闘病記はたくさんあるが、社内での振る舞い方などは意外と情報がない」と伊藤道博・人事部人事企画課長。参加者は自身の体験記を匿名で社内サイトにアップし、産業医を仲介役に、がんに罹患(りかん)した社員からの匿名相談に応じる。

 がん体験者なら誰でも参加でき、現在は女性11人と男性9人が集う。職場で病気を開示していない人もいる。事務局は一部の人事部員と産業医が担い、月1回は会社の就労支援などを話し合う会合も開く。15年に乳がんと診断された営業支社の30代のある女性社員は「同じ社員同士今後のキャリアや働き方の参考になり、愚痴も言える」と話す。

WOMAN SMART 新着記事

おすすめの連載
ライフスタイル
日々の暮らしの悩みを解決
ビューティー
忙しくても美しい人の秘密
マネー
お金と賢くつきあいたい
オトナのスキルアップ入門
仕事技、いつもレベルアップ
キャリア
自分らしく働く人を応援
DUALプレミアム
働くママ&パパに役立つ
ALL CHANNEL