頼る勇気・頼られる準備 がんとの共生で必要なことがんになっても働き続けたい~桜井なおみさん(下)

日経Gooday

主治医、看護師、ソーシャルワーカーらがチームを組み、がん患者の就労を支えてくれると一番いいですよね。病院には医療コンシェルジュや事務職員がおられますが、例えば、医療費の支払いのときに、職員が治療と仕事の両立支援を紹介したパンフレットを渡すだけでも情報提供になります。

――私もがんを経験しましたが、主治医からはもちろん、病院で治療と就労について書かれたものをもらったことがありません。

役立つ情報をまとめたものは、患者にどんどん渡してほしいですね。私たちは中外製薬と一緒に「ワーキングサバイバーズハンドブック」という冊子を3種類作っています(https://www.gan-guide.jp/)。全国各地のがん診療連携拠点病院にある「がん相談支援センター」に設置されていることも多いですし、無料です。

桜井さんらが作った「ワーキングサバイバーズハンドブック」

●「ワーキングサバイバーズハンドブック1

 ~がん治療と仕事を両立するために~」

がんと診断されたときに何をすればいいのか、勤務している会社から聞くべきこと、主治医に確認すること、休職中に大切にしたいことなどを書いています。

●「ワーキングサバイバーズハンドブック2

 ~あなたの『新しい働き方』をサポート~」

新たに仕事を探す人向き。就職前の心構えや書類の準備の仕方などをまとめています。職務経験のないAYA世代(15歳から30歳前後の思春期・若年成人)のがん患者さんにも見ていただきたいですね。

●「ワーキングサバイバーズハンドブック3

 ~働くサバイバーのお悩みQ&A~」

脱毛したときの職場でのウィッグ対策や働く際の副作用の対処法、会社の人とのコミュニケーションの取り方などを記しました。

がんの治療と就労に関わる話は、病院からはあまり言ってくれません。昔は入院期間が長く、大部屋の病室が多くありましたから、患者同士がおしゃべりする中で必要な情報を得られました。今は入院期間が短く、患者間の知恵の共有ができていません。退院後に患者を支える情報をフォローアップする必要があります。

開発中のアプリで情報や支援の格差をなくしたい

――桜井さんが事業を展開するキャンサー・ソリューションズと一般社団法人CSRプロジェクトでは、それぞれ具体的にどのような活動をされているのですか。

キャンサー・ソリューションズでは、様々なメディカル調査をはじめとするコンサルティングや、がん体験者の声を商品の企画・開発に生かすプランニングなどを行っています。社内でがんサバイバー(がん経験者)に働いてもらっていますし、外注スタッフにサバイバーの人もいます。

ウェルエイジング 健康で豊かな人生のヒント
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