経済学の名著 カリスマ予備校講師がわかりやすく解説三省堂書店有楽町店

クルーグマンやピケティにも目配り

50冊の選本は、ウェーバー、マルクス、ハイエク、シュンペーター、フリードマンらの古典的名著が次々と並ぶ一方、クルーグマン、ピケティといった今も活躍中の経済学者の本も取り上げる柔軟さで、今日教養として押さえておきたい経済書はほぼ取り上げられている印象だ。2017年にノーベル経済学賞を受賞したセイラーの行動経済学の入門書や、「最初のバブル」とよばれるオランダのチューリップ・バブルなど、人類が起こした集団心理の危険を描いたマッケイ『狂気とバブル』などにも、しっかり目を配っている。日本人の著作で選ばれているのは宇沢弘文『自動車の社会的費用』と河上肇『貧乏物語』だ。

「ビジネス書はいろいろ出ているけれど、経済のめぼしい新刊が少ない。そこにこの本が出たので、話題書の棚で強めに押している」と、ビジネス書を担当する同店主任の岡崎史子さん。中身の魅力を伝えようと本文ページのコピーをそのまま店頭販促(POP)に仕立てて読者の目をひいている。

息長い売れ筋が上位に

それでは、先週のベスト5を見ておこう。

(1)不動産投資の"すごい”真実杉本宏之著(幻冬舎)
(2)1分で話せ 伊藤羊一著(SBクリエイティブ)
(3)いま君に伝えたいお金の話村上世彰著(幻冬舎)
(4)このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む転職の思考法 北野唯我著(ダイヤモンド社)
(5)死ぬこと以外かすり傷箕輪厚介著(マガジンハウス)

(三省堂書店有楽町店、2018年9月17~23日)

1位は、ワンルームマンション投資を解説した本だ。2位は、ヤフー・アカデミアで次世代リーダー育成を手がける伊藤氏による伝え方本。6月の刊行で息長く売れている。前回八重洲ブックセンターで紹介した、お金とどう付き合うかを村上世彰氏が子供向けに語った本が3位に入った。4位は転職の軸になる考え方を伝授する6月刊の本で、これまた息の長い売れ筋だ。5位は、敏腕編集者が自らの仕事術と生き方を語った本。表にはないが、今回紹介した本は9位だった。

(水柿武志)

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