「, which」で短文をつなげ 会話を続ける最強の技法
同時通訳者・翻訳家 横山カズ(8)

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同時通訳や英語スピーキングの講演などで活躍する横山カズ氏は、国内でしかも独学で自身の英語力を鍛え上げた経験を持ちます。話し、かつ聴くことにおいて、「英語は瞬発力」というのが持論。どうすれば「瞬発力」を鍛えられるのかを連載で語ってもらいます。
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本音は「よどみなく、自由に話したい!」
「英語のスピーキングは内容よりも中身だ!」
「ペラペラ話すのは内容が伴うようになってからにしなさい!」
といった言説はこの現代においてもよく聞かれるものですが、私はこの考え方には大きな疑問を持っています。というのも、上記のような議論自体が母語である日本語で「きわめて流暢(りゅうちょう)に」行われているからです。
また、私が中学校や高校で講演をするといつも生徒さんたちが最も心ひかれ、興味を持つのは「英語を流暢に話すこと」であり「発音の美しさ」だったりします。
このような場面に出会うたびに私はいつも人間が根源的に持っている「言葉を自在に話す」という欲求の存在を感じます。会話に詰まることなく、途切れなく英語を話せるようになりたいというのは、英語学習している人の本音として、当然だと思います。
ペラペラ話すよりも、内容の方が大事という議論もあるかとは思いますが、たとえ話すべき内容があっても瞬間的に英文を思いつき、流れるように話す能力がなければ、結局のところ、伝えたいと思っている内容や中身も、日の目を見ずに終わっていくことになります。
なめらかな発話能力と相手にわかりやすい発音があれば、聞いている相手にストレスを与えることがなく、結果として一種の「おもてなし」ともなるものです。ミスすることを恐れずに話す一方で、ひそかに技術を磨けばよいのです。