NIKKEIプラス1

2018/9/23

何でもランキング

6位 芦ノ湖 320ポイント
富士山を背景に楽しむ(神奈川県箱根町)

箱根火山のカルデラ湖で、箱根エリアでも早い時期から葉が色づき始めるのが芦ノ湖だ。「富士山を背景に紅葉と湖が楽しめる絶景スポットとしては随一」(村田和子さん)。天気がよく風がなければ湖面に映る逆さ富士も見られる。芦ノ湖遊覧船の運営会社が今春から水陸両用バスを運行。「車窓からの眺めも期待できる」(森川孝郎さん)。別会社が運航する観光船は海賊船を模し、家族連れに人気。

(1)11月上旬~中旬(2)JR、小田急電鉄小田原線・小田原駅からバスで約60分(3)1840円、70分周遊コース(芦ノ湖遊覧船)(4)伊豆箱根鉄道(電話0460・83・6351)

7位 裏磐梯五色沼湖沼群 240ポイント
神秘的な湖水と共演(福島県北塩原村)

磐梯山麓に点在する柳沼、毘沙門沼・赤沼・弁天沼などの数多くの湖沼の総称。さまざまな色彩が見られることから「五色沼」の名がある。「色を変える神秘的な湖水と紅葉の共演がゆっくり満喫できるのは手こぎボートならでは」(藤田聡さん)。色が異なるのは天候や季節、見る角度、水中に含まれる火山性物質などの要因とされる。「美しい色の湖で、磐梯山を望む絶景と紅葉が堪能できる」(村田和子さん)

(1)10月中旬~11月上旬(2)JR磐越西線猪苗代駅からバスで30分五色沼入口下車(3)1300円、1時間(1艘(そう)3人乗り)(4)裏磐梯観光協会(電話0241・32・2349)

8位 長瀞(ながとろ) 230ポイント
見事な岩畳とともに(埼玉県長瀞町)

蛇行する荒川の緩急の流れはもとより、長瀞の自然が創りあげた景観は息をのむような美しさ。「岩と岩の間の狭い急流を下るスリル、長さが約600メートルの一枚岩『岩畳』と紅葉が織りなす景観は、急流下りの代表といえる」(森川さん)。近隣の「月の石もみじ公園」には、モミジ、サクラ、ナラ、クヌギなど、数種類の落葉樹が植えられている。「関東でも本格的な川下りを楽しめるうえ、周辺も埼玉の紅葉の名所」(藤田さん)

(1)11月上旬~下旬(2)秩父鉄道・上長瀞駅から徒歩5分(3)3000円、約40分(全コース定期便)(4)長瀞ラインくだり(電話0494・66・0950)


9位 高千穂峡 220ポイント
落ちる滝、染まる赤(宮崎県高千穂町)

高さ約100メートルの絶壁が7キロ続く荒々しいV字型渓谷に、モミジやカエデなどの樹種が彩りを添える。「両岸の絶壁の上から白く滝が落ち、赤く染まった木々を覆う。誰もが納得できる絶景だ」(柳沢さん)。ボートからは柱状節理の岩の間の紅葉もみることができる。「配置されたかのような紅葉、谷間からのぞく神々しい光の反射は忘れられない思い出となる」(寺澤さん)

(1)11月中旬~下旬(2)JR延岡駅から宮崎交通バス高千穂バスセンター行きで1時間30分(3)2000円、30分(手こぎボート1隻定員3人)(4)高千穂町観光協会(電話0982・73・1213)


10位 大歩危峡(おおぼけきょう) 210ポイント
岩と川が鮮やか(徳島県三好市)

吉野川中流の渓谷で、両岸には海抜1000メートル級の山地が続く。川岸の至る所で紅葉が見られ、清流に色を添える。「エメラルドグリーンの川、モノトーンでそそり立つ巨岩・奇岩がパッチワークのように鮮やか」(富本さん)。国指定天然記念物の含礫片岩(がんれきへんがん)を間近に見ながらの舟下りもおすすめだ。「深い渓谷が色づくさまは別世界、ダイナミックな景観も息をのむ」(山田さん)

(1)11中旬~下旬(2)JR大歩危駅から遊覧船乗り場まで徒歩20分(3)1080円、往復約30分(4)大歩危峡観光遊覧船(電話0883・84・1211)


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京都・保津川も名所 台風の影響で川下り運休

台風の影響で川下りが運休中のため選外となったが、水辺の紅葉では京都・保津川も全国屈指の名所だ。上流の亀岡から名勝・嵐山まで、2時間をかけて約16キロの渓流を下る。見ごろは11月中旬~12月上旬。「急流を下るスリルと船頭さんのユーモラスな案内が楽しい」(富本さん)。「沿線は植樹が盛んで毎年広葉樹が増える」(櫻井さん)などの声があがった。

ゴール地点の嵐山ももみじが見事だが「船の上からなら混雑とは無縁でゆっくりと満喫できる」(村田博之さん)。ライトアップされたもみじをくぐる夜の便も楽しい。保津川遊船企業組合(電話0771・22・5846)は「川下りは29日に運行を再開する予定」としている。

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ランキングの見方 数字は専門家の評価を点数化。名称、遊覧船・川下りなどの乗り場の所在地。(1)例年見ごろとなる時期(2)アクセス(3)乗船料(大人)、所要時間(4)連絡先。写真は自治体の観光協会などの提供。

調査の方法 紅葉の名所に詳しい識者の推薦を基に、全国28カ所の景勝地をリスト化。旅行や景勝地などの専門家11人に「水の上から見た景色の素晴らしさ」「水面に映る紅葉の趣」などの観点から1~10位まで順位を付けてもらい、編集部で集計した。

今週の専門家 川野紗織(ぴあレジャーMOOK編集部絶景シリーズ編集長)▽櫻井寛(フォトジャーナリスト)▽敷田麻実(北陸先端科学技術大学院大学教授)▽寺澤秀治(風景カメラマン)▽富本一幸(トラベルニュース編集長)▽藤田聡(紅葉ガイド)▽村田和子(旅行ジャーナリスト・家族deたびいく代表)▽村田博之(名所・旧跡ガイド)▽森川孝郎(旅行コラムニスト)▽柳沢美樹子(旅LABO本郷代表)▽山田祐子(井門観光研究所代表取締役)=敬称略、五十音順

[NIKKEIプラス1 2018年9月22日付]

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