新卒は29歳まで、一芸あり 損保ジャパンの採用改革損害保険ジャパン日本興亜人事部の福元利一氏

――転勤したくない人は増えていますか。

「増えていると思います。ワイドエリア採用では男性が3分の1を占めました。予想より多かったです。学生の話を聞くと、全国転勤はしたくないけれど、自分の将来のキャリア設計はきちんとしていきたいという人が増えているように思います」

働きやすさだけでなく「働きがい」も伝える

――今後、採用で挑戦してみたいことはありますか。

「学生に対して、できるだけリアルに仕事の世界を伝えていきたいです。当社は働きやすい会社です。福利厚生制度などは本当に充実している。ただ、それだけで選ばれているのでなく、『大変だけど一生懸命乗り越えていくことで成長できる。社会に貢献できる』という働きがいも感じてもらえるようにしたいのです。採用パンフレットでは、よく丸の内のオフィスで電話するかっこいい写真がでてきますが、そんな場面ばかりではない。顧客から怒られたりもします。生々しい部分を伝えたいです」

――インターンはどうしていますか。

インターンシップでは3日間のグループワークで損害保険ビジネスについて体感=損保ジャパン日本興亜提供

「17年は1日インターンが流行しました。当社もやってみましたが、ほとんど意味がありませんでした。損害保険のビジネスを1日で理解するのは、やはり無理がある。とはいえ、従来の5日間は長すぎるかと思ったので、18年は3日間でやってみました」

「雰囲気も、少し厳しめに変えました。たとえば、グループワークのスピードをあげてみる、途中のフィードバックで厳しいコメントを投げかける、といった感じです。交流サイト(SNS)には『厳しかった』というコメントもあり、効果はあったようです」

――売り手市場といわれますが、実感としてはどうですか。

「世の中で言われている通りだと思います。ただ、それが学生にとっていいことかどうかは少し疑問です。誤解を恐れずに言うと、実力以上の内定が出てしまうことがありますよね。また、インターンが当たり前になったことで就活の期間は実質的に長くなっています。6月の面接の頃には疲れ切っていて自信を喪失している学生もいます」

――経団連の中西会長が「就活ルール」の廃止・見直しに言及しました。

「新卒一括採用に偏重した採用活動は、日本型雇用慣行の典型の一つで、人材の画一化を招く一因でもあります。大きな課題と認識しています。採用の通年化をはじめ、様々な検討を加速していかねばならないでしょう」

「仮に就活ルールがなくなった場合、短期的には混乱もあるでしょうが、次第に収束していくでしょう。その場合でも自社の採用スタンス、採用スケジュールをしっかり持ち、採用活動の長期化を招かないようにしたいですね」

(安田亜紀代)

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