注目の新製品をピックアップ、市場性や開発者の声などから、日経トレンディ記者が大胆に「ヒット予報」をする。今回取り上げたのは、台所用スポンジ「スクラブドットスポンジ」。スポンジ自体に汚れや臭いを付きにくくした商品だ。
◇ ◇ ◇
●実勢価格/グリーン(ハードな汚れを落とすタイプ)378円、オレンジ(キズをつけないタイプ)324円(いずれも税込み)
●サイズ・重さ/幅84×高さ114×奥行き25mm・6グラム
●素材/ポリエステル、ナイロン、ウレタンスポンジ
台所用スポンジに一石を投じる新製品が2018年8月24日に発売された。「スコッチ・ブライト」シリーズの進化版「スクラブドットスポンジ」だ。
ウレタンスポンジに、新開発のポリエステル・ナイロン製の生地を貼り合わせ、洗い物の汚れを落とすだけでなく、スポンジ自体に汚れや臭いを付きにくくした。

ポイントは生地の表面にある。従来品と異なるのは、一目瞭然だ。500以上もの微細な「ドット(突起)」を配し、しつこい汚れをかき落とす。さらに生地の目を細かくし、食べかすなどが詰まりにくくした。スリーエム ジャパンによると、同社の従来品と比べ、汚れ残りが5分の1以下に低減。特殊加工により、不快な臭いもほぼカットできたという。
得意分野はカレー鍋と聞き、自宅で使ってみた。スポンジ表面にこびり付いたルウは、確かに水で洗い流すだけでさっと落ちた。ただし、全く汚れないわけではなく、かすかにルウの汚れが残る。それでも、格段に「汚れにくいスポンジ」とはいえそうだ。


スポンジはグリーンとオレンジの2色展開で、ドットの材質が異なる。前者が汚れをかき取る力が強い鉱物系粒子の「ハードな汚れを落とすタイプ」、後者が軟らかい樹脂系粒子の「キズをつけないタイプ」だ。スリーエム ジャパンの調査によると、消費者の86%がスポンジの汚れを不衛生と感じている。潜在需要をどこまで取り込めるか。

[日経トレンディ2018年10月号の記事を再構成]