休日シャツの着こなし ジュエリーミックスで華やかに
宮田理江のファッション戦略論

オフィスルックで頼りになるシャツは休日にも大活躍。アクセサリーを合わせれば軽やかな印象を演出できたり、華やぎを加えられたりするのです。ファッション・ジャーナリストの宮田理江さんが、「ジュエリーミックス」のコーディネートを紹介します。

オフィスの装いに欠かせないシャツは、休日ルックでも使いやすい。シャツは特有の「きちんと感」が持ち味だが、実はもっと着こなしの引き出しが眠っている。例えば、アクセサリーとのコンビネーションもシャツルックを見違えさせる。ジュエリーブランド「CHAN LUU(チャンルー)」が2018年秋冬シーズンからスタートする新アパレルライン「CHAN LUU WHITE(チャンルー ホワイト)」のシャツルックを参考に、「ジュエリーミックス」のコーディネートを練り上げていこう。
白シャツに細×長ネックレスを2本使い


プルオーバーの白シャツは胸元のVカットがきれいで、すっきりした着映えに見せている。正面に切れ込みを加えた「キーネック」のおかげで、スタイリッシュな印象が生まれた。
胸元が開いている分、アクセサリーを添える余地がある。素肌にはきゃしゃなネックレスを乗せ、そしてシャツの上からラリエッタ(留め金のない、ロングネックレス状アクセサリー)風ネックレスを重ねた。
長短の2本重ね着けがVゾーンにリズムを呼び込んでいる。そのおかげで、ボリュームたっぷりのキュロットと合わせても軽やかな見栄え。ショートブーツでクールに足元を引き締めて。
シック色シャツを多彩な重ね着けで華やが
せる

シックな色味のシャツには、アクセサリーで華やぎを添えてみよう。少しとろみがあるタイプは優美なムードを醸し出してくれる。添えるネックレスの印象次第で、狙ったイメージを引き出せる。
細めのネックレス1本なら繊細な表情が、長短の2本ならあでやかな風情や軽やかなムードが宿る。3本、4本と増やせば、ボヘミアンテイストを呼び込める。
金属製ネックレス以外に編みひもやフェザーなどの異素材ネックレスを差し込むと、トレンドのフォークロア(民俗調)風味も盛り込める。服の地色をもらって、ネックレスのパーツに写し込めば、全体が落ち着いて映る。
ストライプ柄シャツにはブレスレットを重ね着け

ストライプ柄のシャツはキリッとした印象が強い。仕事シーンではキビキビ感をまとわせてくれる。オフのルックとしてがらりとムードを変えるなら、アクセサリーの力を借りたい。
ブレスレットを両腕にたっぷりと添えるだけで、一気におしゃれ感が出る。胸のボタンを少し多めにはずし、シャツ裾もウエストアウト。たっぷりした幅のワイドパンツも休日気分になじむ。
シャツ袖口はしっかり折り返してたくさんのブレスレットをキーピースに。シャープな印象のストライプ柄シャツに、エスニックテイストのブレスレットをプラスすることで、テイストミックスされた装いに整えられる。
ベルト使いでカシュクールに変身

シャツを羽織物ライクに着こなす大技も、アクセサリーを使って組み立てられる。ピンストライプ柄シャツのボタンをいったん全部はずし、カシュクール風に打ち合わせるという、ダイナミックなアレンジだ。
シャツの上からウエストにアクセサリーをベルトのように巻けば、伸びやかな「シャツジャケット」風の装いが出来上がる。シャツの軽さが生きて、ソフトなたたずまいに映る。
ベルト代わりに使ったアクセサリーの余った端は無造作に垂らして、ノンシャランとしたムードに。胸元に小ぶりのネックレスを重ねづけすれば、程よくフェミニンが薫る。
シャツワンピースにウエストマークで縦長感

シャツ特有の「きちんと感」が備わるから、シャツワンピースはシーンを選ばずに着やすい重宝なアイテムだ。出番が多いから、人気も高い。
1枚でまとうのが気になる場合は、シャツワンピースの下にワイドパンツをレイヤードすると、トレンドの「ロング&リーン(細く長い)」シルエットにまとまる。着丈が長めのシャツワンピースなら、落ち感が強く出るから、細長いシルエットを印象づけやすい。
さらに縦長イメージを強めるには、ウエストにアクセサリーを巻いて垂らすのが効果的なアレンジ。巻き方のポイントは、きっちり締めないで、わざと緩めに巻いて、前に垂らす感じでたるませるところ。遊びがある分、ウエストが細く映る。
職人技から生まれたメード・イン・ジャパン「チャンルー ホワイト」

ロサンゼルスを拠点とするジュエリーブランド「チャンルー」は、ベトナム系アメリカ人のデザイナー、チャン・ルー氏が1996年に立ち上げた。ナチュラル感と手仕事テイストが伸びやかな風情を寄り添わせ、世界中で支持を集めている。ベーシックなシャツを中心としたカプセルコレクション「チャンルー ホワイト」も始動。日本の職人たちへのリスペクトから、どのシャツも日本で生産されている。
シャツ人気は衰えを知らず、シルエットや色柄、素材のバリエーションが広がりを見せている。さらに、ジュエリーやアクセサリーを添えることによって、同じシャツでも仕事用とプライベート用で自在に表情を変えられる。チャンルーが得意とする、グローバルなカルチャーミックスはこれからのビッグトレンドだけに、ジュエリーミックスでシャツをもっと自分好みに「着せ替え」してみては。
(画像協力/CHAN LUU)

[nikkei WOMAN Online 2018年9月1日付記事を再構成]
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