トヨタ・センチュリー21年ぶり一新 日本にこだわる

田部 ポイントは後部の窓のサイズとカタチと位置関係です。上にあり過ぎてもダメだし、お手をたくさん上げていただかなければいけなくなる。逆に下過ぎると見え過ぎてしまうし、むき出し過ぎても隠れ過ぎてもいけない。適値というのがあるんです。

小沢 センチュリー独自の配慮ですね。

田部 後は先代からの踏襲ですが、窓枠を太いアルミプレートにしてます。これもやはり後部座席の人がキレイに見えるように。

小沢 額縁性能ですね。

田部 それからドアのインサイドハンドルは亜鉛です。触ってもらうと分かりますが、冷たくどっしりしています。

小沢 面白い。相当きめ細やかな後席客への配慮ぶりですが、まだまだありそうですね。

田部 例えばVIPが降りられて、写真に収めるじゃないですか。そのとき、ドアに映り込む絵がゆがんだらマズいので、デザイナーはドアやボディーに反射フィルムを何度も貼って造形を確かめています。

小沢 映り込み性能ですね。鏡のように映るのはもちろん、足が妙に短く見えてもいけないと。となると当然塗装も極上?

映り込む姿が極力ゆがまないよう、ドアやボディーに反射フィルムを何度も貼っている

田部 メチャクチャ手間暇かけてます。通常レクサスでさえ5層コートのところを7層コートにしてますし、塗装工程だけで1台ほぼ40時間かけてます。1回1.5時間かかる水研ぎも、レクサスが1回のところをセンチュリーは3回やっています。1週間、ほぼ塗装ブースに置きっ放しです。

小沢 走りについてはどうですか。

田部 プラットフォームはあえて旧型レクサス「LS」のものを使っていますけど、本来四輪駆動だったのを二輪駆動にしています。

小沢 なぜですか?

田部 ひとつは乗り心地で、四駆のままだとセンチュリーの乗り心地が確保できないので、フロントサスペンションに別体のエアチャンバーを付けました。取り付けスペースがなかったので四駆を二輪駆動にして。

小沢 ええ? レクサスLSの乗り心地でも満足できない。結果、どこが変わったんですか。

田部 後部座席での目線の動きです。旧型は足回りが少し柔らか過ぎて道が荒れると揺れたので。ウチのトップからも「センチュリーは後部座席で新聞が読めないとダメ」といわれていました。

「センチュリーは後部座席で新聞が読めないとダメ」とトップからいわれたという

小沢 確かにそこは大事です。で、結果的に世界一になった部分は?

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