iPhone新機種、高いか安いか 識者3人に聞く

アップルとしては、「過去10年であたりまえになったスマホの使い方」を脱却するのに必要な、機械学習系の機能を軸に性能強化を行っている。それに耐えられるのは、少なくとも2017年のiPhone 8もしくはX世代から。2018年は機械学習について、劇的な性能向上が行われており、今後2年の間で今回以上のジャンプアップはない可能性もある。そのくらい、ハードウエア的には大きな変化を秘めている製品だ。

ただし問題は、それがユーザーの目にわかりやすく示せるのがいつか、ということだ。カメラの性能としては変化が見えるが、それ以外ではっきり分かるアプリが登場するには、もう少し時間がかかる。「それまで待つ」のもアリだが、「その変化の過程を楽しむ」という考え方もあるだろう。

Apple Watchには健康情報を常時モニタリングする機能がついた(写真:西田宗千佳)

むしろ、大きな性質の変化があったのはApple Watchだ。スマホのコンパニオンであったりフィットネスの道具であったりという性質に加え、「なにか体にトラブルがあった時、その情報を医師や周囲に伝えるもの」としての側面が強化されている。それだけで命が助かる場面は少ないかも知れないが、悪化を防いだり、連絡が短時間になったりする効果は見込める。その機能は使われないに越したことはないが、いざというときのためにあった方がいい。時計としてしか使わない、別にアプリの機能はいらない、という人にとっても「万一に備える」価値として、時計の代わりにApple Watchを……という発想があり得る。アップルは「なぜスマートウオッチが必要なのか」ということについて、ひとつの回答を提示したように思える。

西田宗千佳
フリージャーナリスト。1971年福井県生まれ。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、ネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。NIKKEI STYLEに「西田宗千佳のデジタル未来図」を連載中。

戸田氏:末永く使えるのがiPhoneの魅力

上位機のiPhone XSシリーズは、iPhone Xの後継で、新たに6.5インチの大画面モデルが登場。相当な大画面に感じるが、実は細長いタイプのワイドディスプレーだ。本体の額縁をギリギリまで削っているので、iPhone 8 Plusに比べると横幅が若干ながら細くなっているので決してオーバーサイズではない。iPhone Xでは文字が小さいと感じていた方には、朗報と言えるだろう。ディスプレーは有機ELで、625カンデラの明るさは抜きんでており、明るい直射日光かでの撮影などに力を発揮する。iPhone Xに近いデザインだが、新色のゴールドとスペースグレイのフレームは蒸着仕上げで工芸品や高級アクセサリーのような美しさだ。残念なのはカメラがさほど進化しなかったことだが、背景のぼかしなどが強化されている。

左からiPhone XS Max、iPhone XS、iPhone XR(写真:西田宗千佳)

8万円台からの下位モデルiPhone XRは、全5色を展開。こちらが間違いなく一番売れる製品になるだろう。カメラはシングルだが、普通にスナップ写真を撮るには十分なはずだ。全モデル最新のCPUを搭載し、これから3~4年は間違いなく快適に使えるはずだ。iPhoneはOSのアップデートが旧機種に対応する期間も長いので、良いスマホを末永く使いたい人には間違いなくおすすめだ。

戸田覚
1963年生まれのビジネス書作家。著書は120冊以上に上る。パソコンなどのデジタル製品にも造詣が深く、多数の連載記事も持つ。ユーザー視点の辛口評価が好評。
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