ノーベル賞2人輩出 京都・洛北高のサイエンス力京都府立洛北高校の山本康一校長に聞く

学科改編は18年度からだが、近年の洛北はサイエンスに力点を置いてきた。大きな転機は04年に文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されたこと。SSHの制度のもと、「洛北サイエンス」という学校設定の教科を中高一貫コースと文理コースに設け、ユニークな自然科学系科目の授業を行ってきた。特に中高一貫コースでは中1から授業を開始。京大や京都工芸繊維大、京都府立大、総合地球環境学研究所、国立民族学博物館のほか、オムロン、タキイ種苗など京都を中心に学術機関、企業の協力を得て、本物を見て考えるところから興味を呼び起こす。

京大などの専門家が生徒を直接指導

2人のノーベル賞学者を輩出した洛北高校

洛北サイエンスの授業でとりわけユニークなのが、「課題探究」だろう。高1では週1時間、高2では「数理情報探究」を加えて週2時間学ぶ。まず高1で生徒たちは、課題を見つけ出し解決する能力やプレゼンテーション能力を伸ばす。

高2になると自分たちでテーマを設定し、グループまたは個人で具体的に研究を進める。実験、考察を繰り返し、最後にはプレゼンを行う。

研究の方向性などについて専門家の助言をもらうチャンスもある。18年は6月に京大などの先生らが洛北を訪れ、研究内容に実践的なアドバイスをした。生徒たちは予定時間をオーバーして、専門家らに質問を浴びせたという。3月の発表を目指し、現在も探究を続けている。

高校3年間のカリキュラムである文理コースは中高一貫コースより時間の余裕がないため、課題探究のような授業は少なめだが、授業のない土曜日などを利用し、様々な科学に挑戦する「サイエンスチャレンジ」という講座を開いている。18年度の講座は「脳がものを見るまで」や「斜方投射チャレンジ」「緑に光る大腸菌をつくろう」など20以上を予定している。こうした講座はどのコースの生徒も参加できる。サイエンス部という部活動もあり、18年度は男子生徒が日本生物学オリンピックで金賞を受賞した。

課題を見つけて解決方法を仮定し、実験や調査を繰り返して実証する。「理系も文系も関係なく、大学でも社会にでてからも一生役に立つ学術を身につけてほしい」。これが洛北サイエンスの目指すところだと山本校長は強調する。

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