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私のリーダー論

「青ざめる経験」で磨いた目利き力 オリックス社長 オリックスの井上亮社長兼CEO(上)

2018/9/20

オリックスの井上亮社長兼CEO

リースから保険、不動産、エネルギー、空港運営などに事業を広げ続けるオリックス。井上亮社長兼最高経営責任者(CEO、65)は4年前に宮内義彦氏からトップを引き継ぎ、拡大する組織を導いてきた。海外事業が長く、何度も「青ざめる」経験をするなかで習得してきた経営の勘所とは。(次回の記事は「『やりたい』と言わせる オリックス社長の部下育成法」

■実務肌のCEO 刻々と変わる国際情勢に対応

――30年以上トップを続け、カリスマと呼ばれた宮内氏からバトンを引き継ぎました。

「私はカリスマでも何でもありません。あえて言うなら実務肌でしょうか。カリスマの良いところは、人に任せること。優秀な人材が集まってきて大きな方針を宣言すると皆がついてくる。私の場合は逆で、個別案件も細かく見ています。海外で様々な経験を積みましたから、幸か不幸か、ごまかしや落とし穴がよく見えます」

「稟議(りんぎ)書は端から端まで全部読みます。前日に全部資料を読み込む。逆にミーティングは10分で終わっちゃいます。長くても1時間はかけない。座る前に『この提案はだめだから会議しなくていい』と帰らせるケースもあります。これは嫌われますよね。私は嫌われCEOだと思います(笑)」

――あえてそうしているのですか。

「オリックスはリースの隣、またその隣へと事業領域を広げ、今や空港や水族館を運営するなど、複雑な案件が増えています。一業種だけ見ているなら、その業種のことだけを何十年間もやっているわけだからプロですよね。だからすぐに判断できる。当社の場合は細かく言うと100業種以上の案件の判断を日々しています。その場で社員から説明を受けて答えられるなんて、天才でもない限りありえない。だから事前に資料を読み込んで、判断していく。それだって正しいか自信はありませんよ」

「今はグローバルでビジネスをして環境が毎日変わっていくんです。為替が1日で大きく変動したり、政治と経済のかかわりも強く、米国と中国が仲良くしたと思ったら対立したり。そういう事業環境で『俺はカリスマ』なんて思っている暇はありません」

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