世界どこでも「翌朝修理」 コマツのブランド戦略コマツ 建機マーケティング本部長 水原潔氏

「例えば、鉱山用建機は24時間稼働することも多く、それだけ部品交換やメンテナンスが重要になります。顧客に素早く部品を届ける、あるいは修理する技師を派遣するという仕組みをつくっています。これに建機の稼働状況のモニタリングやレンタル、ファイナンスなど含めたバリューチェーンを作り上げています」

ITで顧客の「困った」すぐ把握

――コマツはITを活用した建設現場支援に力を入れています。

世に送り出した建設機械からデータを集め、利用するのがコマツの強み

「ITで顧客の建機の稼働状況をモニタリングする『コムトラックス』に、01年から取り組んでいます。現在、コマツの建機は世界中で60万台弱使われていますが、そのうち50万台弱にコムトラックスがついています。今、どこの建機が何時間動いているか、メンテナンス状態がどうかなど、世界の状況を本社で把握できます」

「このデータを分析して各地の営業マンや代理店などに伝えれば、提案営業に役立ちます。ずっとパワーモードで使っている顧客には、もっと省エネになる運転方法がありますよと提案できます。稼働時間が長ければ、もうすぐこの部品の交換時期ですと伝えることもできるでしょう。ゼネコンやレンタル業者、建設業者といった顧客企業とウィンウィンの関係を築いていくのにITを役立てます」

――IT化で競争力は上がりますか。

「建機では、世界に先駆けてITを活用してきた自負はあります。ただ、最近は競争が激しくなっているので、稼働率保証などのサービス契約で特色を打ち出しています。24時間稼働している建機が故障して数日間使えなくなると、顧客企業に大きな損害が生じてしまいます。そこで『翌朝稼働率』(故障の連絡を受け、翌朝までに部品を提供して稼働できる状態にできた割合)を重視していて、現在は90%台を維持しています」

「これは、世界各地で生産・販売拠点や代理店などの供給網を整備しているから可能なことです。私は17年までインドに駐在していましたが、片道5時間かかるような建設現場が多い。そんなところにも素早く部品を届けて修理できる体制が強みだと思います」

ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら
出世ナビ記事アーカイブ一覧
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら
出世ナビ記事アーカイブ一覧