MONO TRENDY

モノ・フラッシュ

21年目の奇跡! 国宝級3代目センチュリーに乗る

日経トレンディネット

2018/10/11

センターコンソールの助手席可倒スイッチが印象的

タイヤノイズの少なさもすごく、なぜならタイヤは新開発のブリヂストンのレグノを標準装備。これまた無用なノイズ、揺れを抑えつつ、ダンピングに気を使った専用開発品。

ハンドリングはねっとりすっきり絶妙のフィーリング
タイヤは新開発のブリヂストンのレグノを標準装備

パワートレインは旧LS600h譲りの381psの5L V8と224psの電気モーターの組み合わせですが、エンジンパワーはLS用より10kW抑えられていてより穏やか。そのほか低速から高速へのつながりの良さが印象的。

EV走行からハイブリッド走行になる瞬間が本当に滑らかに設定されていて、運転席にいてもよっぽど注意してないとエンジンが掛かったことに気づきません。特に高速だったらほとんど分からないでしょう。

ちなみにJC08モード燃費は13.6km/Lと車重2トン超えを考えるとかなり優秀。

パワートレインは381psの5L V8と224psの電気モーターの組み合わせ

一方、今回のアップデートで自動ブレーキなどの先進安全機能をひと通り搭載。とはいえ最新の二世代目トヨタ・セーフティ・センスは搭載しておらず、一瞬いいのか? と思いましたが、基本プロドライバーしか乗らないクルマなので、今回搭載した予防安全のブラインドスポットモニターやクリアランスソナー(パーキングサポートアラート)でほぼ十分だったとか。特殊な用途の高級車だけあります。

■感動のニッポン超内弁慶高級車の生態

今回面白かったのは圧倒的な静粛性、上質な乗り心地、しっとりしていつつ以前より手応えあるハンドリングもさることながら、日本ならではの特殊な超高級車としての生態であり、求められる要件です。

ヘンな話、妙な見栄や自己主張はいらない。とはいえ路上での安全性のためにも、一定のオーラを放ち、他者を寄せ付けないような存在感は持っていなければならない。まさに日本の、それも大手企業の社長達がまとうべき空気感であり、そこが欧州のVIPカーと違って微妙なのです。

明らかにロールスロイス、メルセデス・マイバッハ、ベントレーとは違う控えめかつ実質指向の上質感。日本ならではのアンダーステイトメント思想めいたものを感じました。

加えて聞いて安心しましたがこのセンチュリー。少ないとはいえ旧型は初期は月に100台以上売れ、末期でも30~40台は売れていたとか。その大半は日本の大手企業向けだそうですから、センチュリーの存在は日本の経済がそれなりに元気な証でもあるのかもしれません。

いろいろ言われてますが、いまだ日本は世界第3位の経済大国として立派に躍動している。それを新型センチュリーに乗って実感した次第なのです。

小沢コージ
自動車からスクーターから時計まで斬るバラエティー自動車ジャーナリスト。連載は日経トレンディネット「ビューティフルカー」のほか、『ベストカー』『時計Begin』『MonoMax』『夕刊フジ』『週刊プレイボーイ』、不定期で『carview!』『VividCar』などに寄稿。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)など。愛車はロールスロイス・コーニッシュクーペ、シティ・カブリオレなど。

[日経トレンディネット 2018年8月17日付の記事を再構成]

MONO TRENDY 新着記事

MONO TRENDY 注目トピックス
日経クロストレンド
大手ジムが「有料オンラインレッスン」に注力する理
日経クロストレンド
アップル、4年半越し悲願 腕時計「常時点灯」の真意
日経クロストレンド
ANAも参入 「5G+分身ロボット」でビジネス変革
日経クロストレンド
花王が洗顔シートで王者を逆転 敵の弱点を徹底訴求
ALL CHANNEL