サービスの対象は食べ盛り・働き盛りの18~38歳に限定している。月額8600円の定額会員になると3種類のラーメンのどれかを1日1杯食べることができる。看板商品で780円の「豚骨野郎」なら12杯で元が取れる計算だ。

野菜はすべて国産、味はあっさり

だが、いくらラーメン好きでも、同じ店にそれほど頻繁に足を運ぶものだろうか? そんな疑問を野郎ラーメンを運営するフードリヴァンプ(東京・世田谷)PR広報部の黒木勝巳さんに問いかけると「実は社内でも『あまり会員は集まらないだろう』と話していた」との答えが返ってきた。

大きなチャーシューがボリューム感たっぷりの「豚骨野郎」の通常価格は780円(野郎ラーメン)

しかし調べると、各店舗に週2~3回来店する客はそれなりにいることが確認でき、サービス開始に踏み切ったという。黒木さんは「サブスクリプションはそれら顧客に向けた感謝と顧客還元の思いから始めた。フタをあけてみると予想外に会員が集まり、そのうちの8割がしっかり元を取っている」。会員の韓国人留学生から「1カ月の食費が計算できて助かる」と感謝されたこともあるという。

実際に「豚骨野郎」を味わってみると、太麺に絡むスープは意外とあっさりしていてするっと食べられる。野菜は全て国産、チャーシューは柔らかさが特徴のスペイン産ブランド豚を使っている。

客にとって食べるほど、飲むほどに得になる定額制。店側にとって提供する商品に早く飽きられてしまうリスクもあるが、coffee mafiaと野郎ラーメンでは、いずれも看板商品で勝負し、ファンを増やしているようだ。そのあたりが「安かろう……」と思われることもあった従来型の食べ放題との違いなのかもしれない。

(ライター 大谷 新)

[日本経済新聞夕刊2018年9月1日付]