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早大新総長、世界トップ目指す覚悟 「40年かけても」 早稲田大学の田中愛治総長に聞く

2018/12/9

好例が、田中氏が大学院教育を受けたオハイオ州立大だ。同大の政治学は1977年に全米23位だった。それが80年代末には全米4位、世界でも4位になったという。田中氏は、同大のハーバート・ワイズバーグ教授の取り組みを評価する。ひと夏をすべて教育のために使ったり、秋の大学院のセミナーの150本のシラバスの半分を入れ替えたり、教育に努力を惜しまなかった。「日本でここまでできる教員はいない」

「たくましい知性」「しなやかな感性」を鍛えたい

「世界でベストの頭脳を採用する」と公言する米ハーバード大学の採用方針にも注目する。同大は一流研究者の採用に時間と労力を惜しまない。早大でも「自分たちより優秀な教員、職員を採用していく」。教え子らには「田中を越えていけ。難しいことではないよ」と激励する。

鍛えたいのは「たくましい知性」と「しなやかな感性」だという。たくましい知性とは、答えのない問題に挑戦する力だ。自分で仮説を立て、証拠を提示する。間違いが分かったら、検証し直す。しなやかな感性とは、性別や国籍、言語、宗教、信条、価値観などが異なる相手にも敬意を払い、理解する感性を指す。早大は現在「7500人の外国人留学生を受け入れ、5000人を海外に送り出している」。知性と感性を磨く土壌はあるとみる。

■研究・教育・貢献、3本柱を太く

グランドデザインを描くうえで(1)研究の早稲田(2)教育の早稲田(3)貢献の早稲田の3つを柱に据える。これらは建学の精神そのもの。1913年(大正2年)の創立30周年にあたり、大隈重信が宣言した三大教旨と考え方は同じだという。

世界トップレベルになるため、優先順位を明確にし、数値目標も見直していく。たとえば、2012年にまとめた「ワセダビジョン150」という構想。150周年を迎える32年を見据え、学部生を4万3974人から3万5000人に減らす一方、大学院生を9357人から1万5000人に増やす内容だった。このうち大学院生の目標数値は下方修正する考えだ。

確かにハーバード大などでは、学部生より大学院生の方がはるかに多い。ただ、米国にはビジネススクール、ロースクール、メディカルスクールなどのプロ養成スクールが多数あり、卒業すれば給料がぐんと増える仕組みがある。一方、日本では大学院を出ても待遇が上がる保証はなく、そもそも文系の大学院生を大幅に増やすのは難しいという。

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