店名に込めたスパイス使いの妙 北九州で南インド料理
「106サウスインディアン」
こう暑い日が続くと、インド料理に頼りたくなる。若戸大橋がみえる大通りから店内に入ると、落ち着いたダイニングバーのよう。「デートでもファミリーでも老若男女に来てもらいたい」。オーナー夫婦らが集めた雑貨や絵画が主張しすぎず出迎える。店名には100種以上のスパイスを使うとの思いが込められている。
熱帯気候で生まれた南インド料理は季節の野菜をたっぷり使い、あっさりした風味が多い。代表メニューは定食のミールス(休日ランチで税別1480円)。長粒のライスやパパド(豆のせんべい)を9種類の小皿が囲む。酸味が効いたスープのラサム、オクラや豆のいため物、自家製ヨーグルトなどにぎやかだ。
シェフのスワミさんはバンガロール出身。夏のおすすめを聞くと、さらっとしたカシミールカレー(890円)を挙げた。国産タマネギを数時間いため、あめ色のペースト状に。この甘みが一口目に漂い、スパイスのスッとした辛みが追いかけてくる。
店は福岡・天神にもある。両店のシェフは東京・湯島の老舗インド・パキスタン料理店「デリー」元総料理長の親族だ。インドでは近年、健康志向で南方料理が人気という。店には肉厚のタンドリーチキンやラム料理もあるが、最近は菜食を求めるヨガ愛好家がミールス目当てに遠方から訪れている。
(山根清志)
〈106さうすいんでぃあん〉北九州市戸畑区新池1の10の1 電話093・873・1065
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