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キャリアの原点

「表面」のプロがデザイン磨く ものづくり文化を翻訳 フィールグッドクリエーション代表取締役 玉井美由紀さん(下)

2018/8/21

玉井美由紀さんは小学生のうちから色の感覚を意識していたという

 モノの表面を専門にデザインする「FEEL GOOD CREATION(フィールグッドクリエーション)」代表取締役の玉井美由紀さんは、質感を大事にする「CMF」デザインを日本に広めた草分け的存在だ。「色」に対するこだわりを、玉井さんが自覚したのは小学生のころ。人と違う才能に磨きをかけながら、CMFデザインという新ジャンルを確立していくまでの話を聞いた。(前回の記事は「売れる商品「決め手は質感」 表面デザインの先駆者」)

 人より「目がいい人」や「耳がいい人」がいるように、「色」に対する感覚の鋭さも人それぞれ異なる。玉井さんがそのことを意識したのは小学生のころだった。

 「絵を描くのが好きで、小学校低学年生では漫画家になりたいと思っていました。ある日、3、4色を混ぜて絵を描いていたら、同級生に『何だ、その色は!』とからかわれたんです。すごく嫌な気持ちになり、自分が色にこだわっていることに気がついたんです」

 色は色相と彩度、明度で成り立っている。赤と青を混ぜると紫色になるなど、色の構成に関する基本的なことは美大に入る前、高校時代に通った美術予備校で学んだ。予備校時代からさんざん、色を作って試してもいたという。それでも実務の場面では、理論通りにいかないことは何度もあった。 

■色の見え具合は人それぞれに異なる

 「たとえば、糸を染めるにしても、もうちょっと赤くしてくださいと指示したら、緑っぽくなって出てきてしまうことがありました」

 なぜそうなったのかの原因を、その都度、突き止め、試行錯誤してきたことがCMFデザイナーとして活躍する礎になった。

 「色の見え方って不思議で、同じモノでも海外に持って行くと、全く違うように見えることがあります。湿度や温度、太陽光線の強さや反射のしかたでも、色の見え方は変わるからなんです。正常な色覚を持っている人でも、赤みが強く見える人もいれば、緑が強く見える人もいる。人それぞれ違うことを前提にしないと、色のデザインはできません。ユニバーサルデザインでは色覚異常の人も見やすいように色味を調節しています」

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