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私のリーダー論

外部のベンチャー魂生かせ KDDI社長のスピード感 KDDIの高橋誠社長(下)

2018/8/16

KDDIの高橋誠社長

KDDIの高橋誠社長は、auのインターネット接続サービス「EZweb」をはじめ、ほぼ一貫して新規事業に携わってきた。社内の技術にこだわらず、時には名もないスタートアップ企業の力も大胆に活用。社長になった今もベンチャー経営者との交流を欠かさず、「リーダーこそ、常に新しいことに挑戦する貪欲さが必要」と話す。(前回の記事は「稲盛流で顧客も社員もワクワク KDDI社長の使命感」

EZweb立ち上げでベンチャーの実力を知る

――携帯向けインターネットサービス「EZweb」など、一貫して新規事業を手がけてきました。

「入社して最初は長距離電話のインフラ整備をやっていました。基地局を建てるために、土地の買収交渉などを担当していました。それを8年くらいやっていると、さすがに飽きてしまいました。『ずっと今と同じことをやり続けるなら会社を辞めます』と言ったら、当時新しく立ち上げた携帯電話部門に行かせてくれました」

EZwebは日本で初めて米グーグルの検索エンジンを携帯向けに搭載した(2006年、グーグルとの業務提携発表で)

「それから少しして携帯電話にインターネット機能を持たせる技術革新の波が来ました。パソコンでインターネットを利用する時代が始まったばかりなのに、それを携帯電話に載せるなんて意味が分からない、といわれたような時代です。社内にもインターネットの技術に詳しい人がそんなにいるわけじゃない。そんな状況でEZwebを立ち上げるプロジェクトのリーダーを任されました」

――リーダーとして、プロジェクトをどのように進めたのですか。

「あのような成功するかどうかわからない新規事業をやるときはたいてい、社内は抵抗するか、興味を示さないものです。実際、EZweb経由で使ったサービスの利用料を携帯電話の利用料と合算して請求する仕組みをつくるために、料金システムを担っている情報システム部に頼んだのですが、『そんなことをやっている暇はない!』と一蹴されてしまいました」

「途方に暮れましたが、あきらめるわけにはいきません。そこで、KDDIの大株主である京セラ系の京セラコミュニケーションシステム(京都市)に行くと、快く開発を引き受けてくれました。京セラは創業者の稲盛和夫氏のリーダーシップのもと、新しいことに挑戦するベンチャー精神が根付いていたんですね。新規事業を立ち上げる際は、社内の人や技術だけに頼ってはいけない、外部で優秀かつ意欲のあるパートナーを探す方がベストの場合もあると、このときに学びました」

「携帯電話でインターネットを見られる技術についても、同様に外部の知恵を借りることにしました。日本で一番進んだ技術を持っていたのが、ベンチャー企業の電脳隊で、KDDIからサービスの共同開発を頼みました。3000万円くらいの開発費だったので、即決しました。ちなみに電脳隊を率いていた川辺健太郎さんは現在ヤフーの社長で、今でも交流があります」

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