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次世代リーダーの転職学

40代の転職に逆転現象 天国から地獄に落ちる人は… 経営者JP社長 井上和幸

2018/8/3

想定通りと言いますか、入社当初は未整備な組織や事業内容で四苦八苦がありましたが、Gさんも同社の他のメンバーたちも、もちろんH社経営者や経営陣も、何としてもこの事業を成功させるという信念で奮闘。2年を過ぎたところでその頑張りが花開き、ベンチャーとしての急成長の波に乗りました。そこから2年後に新規株式公開(IPO)を果たしてさらに現在、急成長を続けています。Gさんも同社の役員となり重責を担うとともに、予想以上の報酬・資産も得ることとなりました。

■「天国→地獄」「地獄→天国」 いずれを引くかはあなた次第

これらの事例は、個人を特定しないように、私が日々関わっている幹部転職者での実例を複数重ね合わせたものです。

最後に「傾向と対策」についてまとめてみましょう。

●傾向と対策1

「自分が活躍できる(心から活躍したいと思える)職務・風土」を選択しているか否か。

●傾向と対策2

「底値買い」をしているか、「高値買い」をしているか。

先日、吉野家ホールディングス会長の安部修仁さんのお話をうかがう機会がありました。そこで安部さんは祖業の歴史や沿革もお話しくださったのですが、ご存じの方もいらっしゃるでしょう、吉野家は一度、1980年に会社更生法の適用を受け事実上の倒産をしています。当然その際に多くの幹部、社員が「こんな会社」と言って辞めていきました。そんな中を残った安部さんら少数の若手幹部の奮闘で、見事吉野家は10年と経たないうちに再上場を果たします。

「再建のときに多くの社員が辞めていったが、そこで残って頑張った幹部は皆、10年たたないうちに再上場で全員が億単位のリターンを得て、その後もさらに活躍している。辞めていった人間が『俺も残っていれば』と言っていたが(苦笑)」。言わずもがなですが、後の祭りですよね。と言いますか、厳しいときに逃げ出すような人たちが、再建させる力を持っていたかといえばはなはだ疑わしいですが。

読者の皆さんには釈迦に説法ではありますが、仕事とは短距離走ではなくマラソンであり、転職とはゴールではなく次のスタートラインに立つことです。

禅語に「指月」というものがあります。「月をさす指を見るな、月そのものを見なさい(手段にとらわれずに目的を意識せよ)」。禅では仏の教えを月に、教えが書かれた経典を指にたとえ、こう説かれているわけですが、私たち現代人は、さしずめ「仕事を通じての成果貢献と、それを通じて結果として手に入れるもの」を月、「年収、肩書、企業規模、知名度などの諸条件」を指として理解すべきではないでしょうか。

40歳代の転職は、せっかくの新天地で「人生の逆転チャンス」を得たいなら、「傾向と対策」の1×2の視点での本質論で転職先案件をデューデリ(価値を精査)し、それに人生を懸けてみるのも悪くないのではないかと思うわけです。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜更新です。次回は8月10日の予定です。この連載は3人が交代で執筆します。

井上和幸
経営者JP社長兼CEO。早大卒、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、リクルート・エックス(現リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。「社長になる人の条件」(日本実業出版社)、「ずるいマネジメント」(SBクリエイティブ)など著書多数。

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