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89歳医師に学ぶ 生涯現役を続けるしなやかメンタル力 こちら「メンタル産業医」相談室(25)

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2018/8/1

89歳の今も精神科医として週4日フルタイムで働く中村恒子さん

7月より高気圧の異常状態が続き、前代未聞の酷暑の夏となっていますが、あなたの心と体はお元気でしょうか? こんにちは、精神科医・産業医の奥田弘美です。

さて私事で大変恐縮ですが、このたび89歳で現役精神科医を続ける中村恒子先生の金言と生きざまをまとめた本『心に折り合いをつけて うまいことやる習慣』(すばる舎)を上梓(じょうし)いたしました。

中村先生は約70年にわたって勤務医を続けている方で、人生100年時代といわれる現在において、生涯現役を文字通り体現している先駆者的存在です。今回は拙著の一部を抜粋しながら、産業医としての筆者の経験も加えつつ、先生が生涯現役であり続けることができる秘訣を紹介したいと思います。

■89歳でフルタイム勤務を続ける

中村先生は、つい1年前の88歳までは週6日、みっちりフルタイム勤務を行っていました。2017年夏より、ようやく2日減らした週4日勤務に変更しましたが、今でもきっちり朝9時から午後5時までフルタイムで働くサラリーマン医師です。しかも管理職ではなく、若手医師と同じ勤務体系で大阪府内の病院とクリニックで診療し続けています。

世間には中村先生より高齢の医師もいらっしゃるようですが、私が知る限りそのほとんどが病院長、もしくは名誉教授、理事長のような形で、管理職やフリーランス的に働いている人がほとんどです。先生のように勤務医の現役プレイヤーとして現場でフルで働いている方は存じあげません。

中村先生は1951年、つまり終戦の6年後に医師となり、戦後の激動の時代を生き抜いてこられました。特殊な技術や専門性があるわけではなく、一貫して市井の臨床医として働き続けています。

私は18年前に当時70歳だった先生と出会ったのですが、そのころからずっと「生涯現役で働き続けられるパワー」を波乱万丈の人生とともに本に書いてみたいと願ってきました。そしてようやくその夢を実現することができたわけなのですが、ここでは「組織から長く求められる人材になる」という部分にフォーカスして、先生から学んだ秘訣を2つに分けて紹介します。

■その1「仕事の好き嫌いに振り回されない」

89歳まで現役医師を続けていると聞くと、中村先生はよほど医者の仕事が好きで、何か大きな目標を掲げて使命感に燃えて頑張ってきたのかと思われるかもしれません。でも実は違うのです。

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