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ワイン大国イタリア クラフトビールがブームのワケ イタリア食紀行(中)

2018/7/26

味もさることながらびんや缶のデザインもしゃれているイタリア産クラフトビール

ワイン大国、イタリアでクラフトビールがブームだ。かつてはマイナーな飲み物だったが、アルコール度数がワインより低く、気楽に飲めると若い世代を中心に受けている。イタリア国内には2017年末時点で1200を超すクラフトビールの醸造所(ブルワリー)があり、異業種からの転身組も増えている。ブドウの搾り汁を用いたビールなどがあるのもワイン王国ならでは。古都フィレンツェでクラフトビール最新事情を追った。

まず訪ねたのはフィレンツェの街のシンボル、ドゥオモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)から車で15分ほどの距離にあるビアショップ「キング・グリズリー(King Grizzly)」。街中に古くからある同名のパブが2017年秋にオープンさせたショップという。

フィレンツェのシンボル、ドゥオモから車で15分ほどの場所にあるビアショップ、キング・グリズリー

店内の冷蔵ケースなどには国内外のクラフトビールが所狭しと並ぶ。330ミリリットルのビンを中心に、中には日本では珍しい750ミリリットル入りのものも。一見するとワインボトルのように見える容器に入ったクラフトビールがあるのもワイン大国ならではで面白い。

「いつも250種ほどのビールを置いています。イタリア産のクラフトは50~60銘柄ほどかな」と店で働くピエトロ・ボーノさんはいう。買って帰る地元客もいるが、6割は地元以外のイタリア人や外国人観光客ら。「変わり種ビールを探し求めてやってくる」客も少なくない。店でビールを買って、店内で飲むのはもっぱら地元の学生ら若い世代という。

ワインのようなボトルに入ったクラフトビールがあるのもイタリア的か

ピエトロさんに売れ筋や変わり種のビールを紹介してもらった。まずは人気の「ジャイアント・ステップ」。ヴェネト州パドヴァのCR/AK社が作るIPA(インディア・ペール・エール)スタイルのクラフトビールだ。びん入りが多い中、缶入りは珍しい。ブルーや白、黒を配色した缶のデザインもなかなかしゃれている。さすがはイタリアである。アルコール度数は一般のビールよりやや高い7.5%。その分、キレがあり、のどごしも爽快だ。「しっかりとした味わいなので、焼いた肉と合わせると相性抜群」とピエトロさん。

ヴェトラ社(ロンバルディア州)の「PILS(ピルス)」はベーシックなタイプのビールだった。ビンのラベルには社名の文字をうまくデザインし、あしらっていた。そのポップさは「歩きながら気軽に飲めるビール」を十分に演出している。アルコール度数も4.9%と低い分、口当たりは極めてソフトでスイスイ飲める。「ピザと一緒にがおすすめ」と聞くと、試してみたい衝動に駆られた。

クラフトビールは今や世界的なブームといっていい。大手メーカーのビールとはひと味違うこだわりが受け、各地に小規模なブルワリーが誕生している。イタリアもご多分に漏れずだが、クラフトビールの魅力にイタリア人が酔い始めたのは1990年代後半からという。

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