ゲーム用が人気上昇中 液晶モニター、売れ筋は24型
TSUKUMO eX.に聞く
TSUKUMO eX.で液晶モニターの売れ筋を調査した。フロア長の上田浩一氏は「当店ではここ数年、液晶モニターの売れ行きは横ばいの状態ですが、さまざまな変化がみられます。ゲーミングモニターへの関心が高まっていて、さらにパソコン用ではなくゲーム機用に購入する人が増えています。4Kモニターも安くなって着実に伸びていますね」という。
ランキングを見ると上位は価格の安いモデルが占めているが、3位や5位にリフレッシュレートが144Hzと高いゲーミング向けモニターがランクインしており、最近の傾向が読み取れる。24型のフルHD(1920×1080ドット)タイプが主流で、4Kモデルはランキングに入るほどの売れ行きではない。各モデルの人気の理由を探っていこう。
・普通の使い方なら広視野角なIPSパネルがおすすめ
・ゲーム用途ならTNパネルが人気。リフレッシュレート144Hzタイプも
・入力端子も要確認。安価なモデルはDisplayPort非搭載が多い
1位は万能ベストセラー、PS4やFPS向け定番モデルも人気
1位はアイ・オー・データ機器の「KH245V」だ。液晶モニターはパネルの表示方式が選ぶポイントになるが、この製品は発色の良さや広視野角が強みであるIPSパネルと方式が近いADSパネルを採用。そのうえ約1万4000円と割安で、幅広いニーズで選ばれているそうだ。
モニター表面は非光沢仕上げで、スピーカーも内蔵。画面周囲のベゼルはそこそこ細く、マルチディスプレー環境を構築したい人にもよく選ばれているとのこと。
「コストパフォーマンスに優れていて、とにかく無難です。目的がすごくはっきりしている人以外は、これでほとんど間に合うといっていいです」
続く2位のエイスーステック・コンピューター「VE248HR」は、応答速度の速いTNパネルを採用したモデルで、パソコンでゲームがしたいユーザーの中でもライトな層に支持されているゲーミングモニター。また、プレイステーション4用のディスプレーとして選ぶ人もいるという。
「最近はゲーム機用に液晶モニターを探す人が増えていて、『ゲームやるならTNパネルだよね』ということで、ゲーミングモニターとしては割安なこちらが売れています」
ハイスペックなゲーミングモニターを求める人には、3位のベンキュージャパン「ZOWIE XL2411P」が定番となっている。画面を書き換えるスピードを示すリフレッシュレートが、一般的な60Hzの2倍になる144Hzで稼働する製品で、動きの激しいゲームをなめらかに表示できる。FPS(ファースト・パーソン・シューティング)ゲームをプレーする人に指名買いされることが多いという。
「144Hzは動きの滑らかさが違いますからね。ゲーミングモニターのなかでも、eスポーツ大会で採用実績の豊富なZOWIEブランドであることが人気につながっていると思います」
長時間使う人に人気のものや、曲面モニターも
4位はEIZOの「FlexScan EV2451-RBK」。IPSパネルを採用した23.8型モデルで、画面を90度回転させて縦向きにできるピボット機能に対応するほか、横向きで17cmほど上下にスライドできるスタンドを採用している。
「ビジュアル関連のクリエイターが使うイメージがあるEIZOの製品ですが、これはより広く一般の方に売れているモデルです。目に優しいつくりなので、長時間文字を見たり画面を追ったりする方に好まれていますね」
5位はMSIの「Optix G24C」。曲面モニターを採用したゲーミングモニターで、TNパネルよりも広視野角なVAパネルでリフレッシュレートは144Hzだ。
「VAパネルはTNパネルとIPSパネルの中間的な性格で、TNパネルよりも発色の良さと視野角の広さで上回ります。ゲーミングモニターでは応答速度が速いTNパネルが定番ですが、こちらは仲間と同じ画面を見てプレーしたいという人や、ゲームもするけど写真のレタッチにも使いたいといった人によく選ばれています」
なお、曲面モニターだから購入するという人は少ないそうだ。「曲面の効果は画面サイズが大きいほど発揮されるので、24型前後の画面サイズだとそれほど注目されませんね。曲面モニターとして選ぶなら30型以上ではないでしょうか」。
1977年生まれ。建設業界と葬祭業界を経て2002年にライターへ転職し、テクニカル系の記事執筆と死の周辺の実情調査を進める。「古田雄介のアキバPick UP!」(ITmedia PC USER)、「インターネット跡を濁さず」(d.365)、「ネットと人生」(インプレス シニアガイド)などを連載。
[日経トレンディネット 2018年7月10日付の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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