「時には感情的に」 褒めて叱って横浜市長の指導術横浜市の林文子市長

「私は女性リーダーを育てるためにも女性を叱ってきました。女性の持つ包容力はマネジメントの世界ですごく生きてくる。何かあったときに包容力で慰めるとか、そうしたことが得意なのは女性です。男性の突破力や集中力も素晴らしいけれど、そういうものを俯瞰(ふかん)することが大事だと伝えてきました」

スーパーウーマンだって悩んでいる

2018年3月、14カ国の駐日女性大使を迎えて開いた懇談会であいさつ=横浜市提供

――ダイエーの会長を引き受けたときに「男性社長と二人三脚で再生できれば『男女協働』の成功例をつくれる。後に続く女性にとってもいい道ができるのではとの思いもあった」とおっしゃっていました。

「男女のリーダーシップは若干違いがあると思います。男性はともすれば『対立』を志向しがちですが、女性は『対話』を重んじます。女性ならではの視点や感性、共感力が生かされて、男女が一緒になって取り組めば新しい価値観を生み出せると確信しています」

――世の中には女性管理職も増えていますが、活躍している女性リーダーがスーパーウーマンに見えて自分にリーダーが務まるかと不安に思う人もいます。

「スーパーウーマンに見える人も同じ悩みを抱え、苦しんでいます。私は女性たちに身近なロールモデルをつくりたいと、(働く女性の交流の場である)『横浜女性ネットワーク会議』を11年に立ち上げました。スーパーウーマンの方に講演してもらいますが、皆さん、男性社会でどう生きてきたかという話をされます」

「リーダーに差し掛かっている女性には『会いたい人に会いに行きなさい』とお伝えしたい。いろんな機会でお話しすることができると思います。私もアジア太平洋経済協力会議(APEC)の関連会合『女性と経済サミット』をきっかけに、(米国の政治家の)ヒラリー・クリントンさんに会えました。私の手をとって『メイヤー・ハヤシ、あなたならできますよ』と励ましてくれました」

――性別に関係なく、部下の育成で心がけていることはありますか。

「いかに希望を持って仕事をしてもらうかです。市長になった時、市役所の仕事は苦役感の塊みたいだと思いました。批判されることは多いけれど褒められない。大事な税金をお預かりしていますから、やって当たり前なんですね」

「車の販売をしていた時は売れば売るほど給料が増え、モチベーションにつながりました。支店長になった時は社員が仕事ばかりに一生懸命だったので、視野を広げてもらおうと劇場やほおずき市に連れて行きました。任された支店は売り上げが最下位だったのですが、どんどん雰囲気が変わり、半年でトップになりました。社長になったら素晴らしい仕事をした社員に賞を出して、賞金やプレゼントをつけました。でも役所ではこういうことはやれないですよね」

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