(4)健康に良い野菜・果物・ナッツのとり方
A 果物を食べている人ほど糖尿病は少ない。でも、ジュースは逆なので注意を
果物は糖質が多いから控えているという人もいるが、「果物を食べている人ほど糖尿病のリスクが低いということが明らかになっている。特に、ブルーベリーやブドウを食べている人ほど糖尿病のリスクが低い。また、1日の果物の摂取量が1単位(バナナなら1/2本、リンゴなら小玉1つ)増えるごとに全死亡率が6%減るというメタアナリシスがある」(津川さん)。
しかし、フルーツジュースを多く飲んでいる人ほど糖尿病のリスクが高いというメタアナリシスもあるという。「これは、ジュースには血糖値の上昇を抑える食物繊維が含まれていないからだと考えられる。食品は丸ごと食べることが重要だ」(津川さん)。
A アーモンドやくるみ以外にピーナッツも健康にいいと判明
アーモンドやくるみなどのナッツは健康おやつとして定着してきた。
「1日に28g以上のナッツを週2回以上食べる人は、食べない人よりも死亡リスクが約15%も低かったという米国の研究がある」(津川さん)
死因別の解析では、がん、心臓病、呼吸器疾患による死亡リスクが明らかに低下していたという。ピーナッツもナッツだと思っている人もいるだろう。「ピーナッツは、実はナッツ(木の実)ではなく豆類なのだが、ピーナッツも健康に良いという研究結果がある」(津川さん)。
ピーナッツは安いので、お金をかけずに健康になりたい人はピーナッツを積極的にとるのも手だ。

A βカロテンはサプリでは逆効果になる場合があります。成分信仰には用心を
野菜は体に良いことはわかってはいるものの、忙しくてとれない日もある。野菜に含まれる成分のサプリメントはとった方がいいだろうか?
「緑黄色野菜の摂取は病気のリスクを下げるが、そこから抽出したβカロテンのサプリメントでは、摂取すると、肺がんや心筋梗塞のリスクや死亡率を高めることがわかっている。また、膀胱がんの発症率を約50%高める、喫煙者では肺がんと胃がんのリスクを10~20%増加させるというメタアナリシスがあります」(津川さん)
健康のためには「成分」よりも「食品」に注目することが重要だという一例といえる。

(ライター 村山真由美、グラフ 増田真一、構成 白澤淳子=日経ヘルス編集部)
[日経ヘルス 2018年7月号の記事を再構成]