首ふり・クリップ・激安…進化するUSB扇風機7選
夏をちょっと涼しく過ごすためのアイテムといえば扇風機だが、大きい扇風機は置き場所や電源を確保するのが面倒。そんなときに便利なのがUSB扇風機だ。コンパクトなので置き場所を取らないし、パソコンのUSB端子やスマートフォン(スマホ)用のACアダプターで使えるので、オフィスの机や自宅のテーブルに置いて使うのにピッタリだ。おまけに価格も安い。そんなUSB扇風機の選び方と店頭でよく見かける製品を集めてみた。
USB扇風機選びの3つのポイント
USB扇風機の価格帯は1000~3000円ぐらい。個性的な製品が多く、大きさやデザインはバラバラだ。選び方のポイントは大きく分けて次の3つ。
●風の強さ
扇風機なので、まず作り出す風の強さが気になるところ。大型のファンで強力な風を起こすものや、小型だが2重ファン搭載で風を遠くまで飛ばせるものがある。広めの部屋で自分から離れた場所に置いて使うならこうした製品がいい。
しかし机の上に置いて自分のすぐそばで使うと、弱めの風でも十分涼しく感じられるものだ。こうした使い方なら、風量が小さくても動作音が静かで気にならず、小型で置き場所を選ばないものが使いやすい。風量を調整する機能を備え、強力な風を起こすことも静かに使うこともできる製品もある。こうした自分の使い方、動作音の大きさ、サイズの兼ね合いで考えたい。
●動作音の大きさ
家電量販店の店頭は周囲の音が大きいので分かりにくいが、USB扇風機の中にはモーター音や風切り音がうるさくて気になるものもある。首振り機能を持つ製品では、その動作音が大きいこともある。店頭では気にならなくても、静かな自宅やオフィスで使い始めるとこうした音が気になってくるもの。特に、机の上に置いて使うなら、風量は控えめでも静かさ重視で選ぶほうがいい。
●電源
USB扇風機は、一般の扇風機に比べて電源を選ばないところが便利だ。パソコンのUSB端子はもちろん、スマホ用のUSBタイプのACアダプターで使えるし、充電用のUSB端子がついたテーブルタップでも使える。
モバイルバッテリーと組み合わせると使い道がグッと広がる。パソコンやコンセントのない場所で使えるようになるので、たとえばアウトドアで使ったり、車の中で使ったり、冷房も電源もない物置や倉庫で使ったり、庭で作業をするときに使ったりと、アイデア次第でさまざまな使い方ができる。短時間なら乾電池で使えるものや、内蔵充電池で動くものもあるので、使い方によってはそうした製品を選ぶのもアリだ。
そのほか設置方式もチェックしておきたい。多くの製品は机の上に置いて使うことを想定しているが、マグネット付きで金属製のキャビネットなどにくっつけて使えるものや、スタンド部分がクリップになっていて本棚やついたてに挟んで固定できるものもある。
風の強さ、静かさ、使いやすさの三拍子
無印良品のUSB扇風機「USBデスクファン」はUSB扇風機の定番シリーズだ。これはその最新モデル。前面のツマミで風量を切り替えることができ、ツマミを押すと首振り機能がオンになる。上下の角度調整もでき、使い勝手がいい。スッキリしたデザインで、オフィスの机やリビングのテーブルに似合いそうだ。
前後に2つの反転するファンを備えるのが特徴で、後ろのファンで空気を吸い込み、前のファンで空気を送り出す仕組みだ。そのためコンパクトながら風は強力で、離れた場所まで届きやすい。動作音は今回試した製品の中でも1、2を争う静かさ。静かで使いやすいおすすめUSB扇風機だ。首ふり機能のないモデル(2490円税込み)もある。
羽根に触れても大丈夫 静かで安いロングセラー
シンプルなデザインが特徴の、USB扇風機の定番モデル。羽根が柔らかい素材でできているのが特徴で、回転中に手で触れてもほとんど痛くない。オン・オフと風量調節は前面のダイヤルでコントロールでき、風量を最小にすると非常に静かだ。自分のすぐそばに置いて使っても動作音はほとんど気にならない。
首振り機能はないが、首の部分が柔軟な素材でできていて、ここを曲げて角度調整できる。机の上に置いて使う静かで安い扇風機を探している人に最適な製品だ。価格の安さも魅力。
タイマーも使える、磁石でくっつく扇風機
大きい7枚羽根のファンを持つ扇風機。ピンクと白の2色ある。直径は15.6cmと大きいが、底面にマグネットがついていてスチール製の棚やホワイトボードなどに貼り付けて使える。机の上に置き場所のない場合に便利そうだ。
首振り機能はないが、上下は約90度の角度調整ができる。USB扇風機には珍しいタイマー機能も備える。風量は3段階で調整でき、最大にすると少々うるさくなるが、最小だと動作音はかなり静か。最小でも自分のすぐそばに置いて使うには必要十分な風量があるので、静かな扇風機が欲しい人に向いているだろう。
乾電池でも使える、持ち運びやすい薄型扇風機
ドウシシャの「スリムコンパクトファン」は薄型の扇風機で、電池ボックス部分が折り曲がってスタンドになる仕組みだ。USB電源と単三形乾電池4本での駆動に対応する。USBタイプのACアダプターが付属するので、パソコンやスマホ用ACアダプターを持っていない人でもすぐに使用できる。本体が木目調のモデル(TSF-1107U)もある。
風量は3段階で切り替えができるが、最小に設定しても風は強め。最大にするとかなり強力だ。動作音は最小の風量でも少し気になった。薄型で収納しやすく乾電池でも駆動できるので、旅行などで携帯するのに向いている製品だ。
シンプルデザインで風は強力
筒型のボディー内部に、前後に2つのファンとモーターを搭載した扇風機。電源のオン・オフや風量の切り替えは上部にあるタッチボタンで行う。ほかにボタン類はなく、スッキリとしたシンプルなデザインが魅力だ。
カラーバリエーションは白と黒の2色。風量は3段階で切り替え可能で、動作音は風量が最小だと若干気になる程度。風量を上げると強力な風が出るが、動作音も大きくなる。最小の風量で卓上扇風機として使うか、最大の風量でサーキュレーターのように使うのが向いているだろう。
クリップ式で置き場所を選ばない充電式扇風機
スタンド部分がクリップになっていて、机の上に置いて使うことも、クリップで本棚などにはさんで使うこともできる。風量は4段階で調整でき、USB電源のほかに充電池で駆動できるのが特徴だ。風量を最小にしても動作音が気になるが、電源のない場所で使いたい人に向いている。
驚きの安さ! 300円で涼しくなれる
300円という激安価格が魅力のUSB扇風機。風量はやや強めで、上下の角度調整ができる。機能は電源オン・オフのみで風量調整などはできないし動作音も気になるが、これだけ安ければ文句はない。あちこちの部屋に置いて使いたいなど、扇風機の数が必要な人にはうってつけの製品だ。
(ライター 湯浅英夫)
[日経トレンディネット 2018年6月29日付の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。