日経エンタテインメント!

DREAMS COME TRUE 1989年デビュー。2003年にユニバーサルへ移籍。15年のベスト盤『DREAMS COME TRUE THE BEST! 私のドリカム』がミリオンヒットに。17年10月より、主要な定額制音楽ストリーミングサービスでの楽曲配信を開始。

「活動の長いアーティストは、過去の作品がレコード店には並んでいないケースも多いんです。ドリカムの中村正人と話した時には、ベスト盤に入っていないような過去の楽曲が改めて聴かれていて、ストリーミングを始めて良かったと言っていました。

ただ、日本は今や世界最高齢の長寿国で、人口1億2700万人の平均年齢は46歳。アメリカは3億2000万人で37歳くらいです。Spotifyなどが伸びているのは、人口2億6000万人で平均30歳のインドネシア、9000万人で31歳のベトナム、1億人くらいいて23歳のフィリピンなど、やっぱり人口が多くて若い国。パッケージもダウンロードも越えて、一気にストリーミングにいっている。そう考えると日本では、まだパッケージも伸ばせると本気で思っています。

こうして音楽を聴くメディア1つ取っても異なっていると、なかなか10代から60代までを魅了するスーパースターを作るのは難しいですが、とにかく全方向への取り組みで探したい。例えば、将棋の藤井聡太さんが出てきたときに、マンガが売れてスクールに通う子どもが増えた。ニッチだと思われていた世界でも、スーパースターの出現でガラリと変わりますから。

うちでいえば、クラシックとかジャズでも、50万、ミリオンを出せる可能性があるのではないか。ジャズのレーベルは今、トップが30代なんですが、昔の名盤を紹介すればいいというのではなくて、新しいアーティストを育てるという意志でやっている。クラシックやジャズのファンクラブをスタートする計画なども進めています」

目の前の変化に対応できる人材を

人事制度改革にも着手。同社は06年以降、新卒も含めて採用は有期雇用の契約社員が基本だった。これを無期契約に改め、4月に全従業員550人の6割にあたる330人の契約社員を正社員化した。

「環境が猛スピードで変わるなか、適材適所の配置ができているのかという課題がありました。ユニバーサルの社員はスペシャリスト採用なので、営業として入ってきました、制作で入ってきましたとなると、柔軟な異動ができない。また、結果が出ないと契約を更新しないというマネジメントが本当にいいのかという思いもありました。それよりも、どうやってこの会社を大きくしていくかを一緒に考えてくれる立場の正社員になってもらうことを選ぶ。それが会社の将来にもつながるということを、1年くらいかけて本社にも理解してもらったんです。

目の前で起きている変化に対応できる人が欲しいという面もあります。今は本当に売り手市場で、大卒の人は何社も内定が出るという状況にある。音楽の仕事がしたい人でも周辺企業、例えばGoogleさんやLINEさんに多数入っていると聞きます。環境を整えて若い優秀な人がちゃんと入ってくることで、音楽業界の成長につなげていきたいと考えています」

(日経エンタテインメント!編集部 山本伸夫)

[日経エンタテインメント! 2018年6月号の記事を再構成]

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