ハンズフリーバッグで夏街歩き おすすめコーデは?
宮田理江のファッション戦略論
ウエストポーチやミニリュックなど、両手の空くバッグが注目を集めています。夏フェスから屋外レジャー、街中まで重宝するハンズフリーバッグ。使い分けテクニックをファッション・ジャーナリストの宮田理江さんが紹介します。
見慣れたリュックだけでなく、ウエストポーチやボディーバッグが愛用者を増やしている。両手が空くから、スマートフォンを操作しやすく、荷物も運びやすい。元気で行動的なムードを呼び込めるのは、着こなし面でも魅力。夏の音楽フェスティバルや屋外でのレジャーでも重宝する。街中でも使いたいから、シーン別の使い分けテクニックをマスターしておきたい。
ウエストポーチできゃしゃ見せ
かつて90年代にもてはやされたウエストポーチが華々しく復活している。たっぷり入るタイプはハンズフリーで過ごしやすいのに加え、ウエストを細く見せてくれる。アクティブな気分が漂うから、ショートトップスやジーンズが似合う。真正面ではなく、少し左右にずらして着けたほうがこなれて映る。
ストラップの長さを調節できるモデルなら、ウエストポーチとしてもボディーバッグとしても使い分けられる。ボディーバッグは肩から胸にかけてポジションすると、体のきゃしゃ感を印象づけられる。いくらか膨らみを帯びたほうがウエストに立体感が出て、その分、おなかやヒップが目立ちにくくなる。
ボディーバッグで縦落ち感
片方の肩に掛けるボディーバッグ使いは、身頃を斜めに横切るストラップの効果で、縦落ちイメージを引き出せる。体の前側に垂らすパターンでは、まるで服の一部のようにバッグを装いに取り込める。ストラップの長さ次第で、雰囲気を操れる。ストラップを短くして、肩に近い位置に高くつるせば、タイトで行動的な見え具合に。たっぷりストラップを伸ばして、腰のあたりに緩く遊ばせれば、のどかな景色に見せられる。着こなしのトーンに合わせて、バッグの居場所をアレンジして。
背中からの視線を受け止めるおしゃれが広がってきた。うなじを露出する「抜き襟」が定着。背中側にリボンやヒップステッチをあしらう服も増えている。ボディーバッグを後ろに回せば、背後からの見え方が寂しくなくなる。横に開いたネックラインのトップスと組み合わせれば、さらに伸びやかなバックショットに仕上がる。ストラップを長めに調節して、流れ落ちるイメージを背中に宿したい。
ミニリュックで大人かわいく
ウエストポーチやボディーバッグの人気を受けて、おなじみのリュックもサイズが小ぶりになっている。まるでキッズ用のようなミニリュックは愛くるしいたたずまい。大容量のリュックは武骨に見えるうえ、量感もかさばってしまうので、もたついた姿に見えがち。でも、コンパクトなミニリュックは逆に大人かわいい感じのキュートな表情を背中側にもたらしてくれる。ジューシーな色味やパステル系のカラーを選ぶと、フレッシュなイメージもまとえる。
「バッグを着る」イメージで夏の装いにめりはりを
1967年に最初のデイパックを開発した「JANSPORT(ジャンスポーツ)」は50年以上にわたって、アウトドアや旅に役立つギアを作り続けてきた。アウトドアを原点としながら、野外コンサートや通勤・通学にも使いやすいアイテムで愛用者を増やしている。
ハンズフリー状態になれる各種バッグは両手を解放するから、気持ちまで楽にしてくれる。ボディーに添えるタイプはアクセサリーのようでもあり、着姿に組み込めば、薄着のサマールックに軽快さや細感を忍び込ませることができる。ボリュームや色で少し主張を帯びたタイプは着こなしのアクセントにも位置づけやすい。「バッグを着る」というイメージでアレンジすれば、夏の装いに若々しさやめりはりをまとわせやすくなる。
ファッションジャーナリスト、ファッションディレクター。多彩なメディアでランウェイリポートからトレンド情報、スタイリング指南などを発信。バイヤー、プレスなど業界経験を生かした、「買う側・着る側の気持ち」に目配りした解説が好評。自らのテレビ通版ブランドもプロデュース。セミナーやイベント出演も多い。 著書に「おしゃれの近道」「もっとおしゃれの近道」(ともに、学研パブリッシング)がある。
(画像協力 ジャンスポーツ)
[nikkei WOMAN Online 2018年5月26日付記事を再構成]
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