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やりがい求め活気づく転職市場 背景に企業の短命化

2018/7/10

大勢の参加者で混雑する転職説明会(都内)

転職市場が活気づいています。かつては一部の年齢層や職種に集中する傾向がありましたが、最近は若年層から中堅、シニア層、専門職から管理職、一般職まで市場が広がっています。

転職支援サービス最大手、リクルートキャリアは同社に登録している求人と求職をもとに転職求人倍率(求人数を登録者で割った値)を算出しています。5月の転職求人倍率は1.78倍。リーマン・ショック後の2009年5月は0.74倍、5年前の5月は1.36倍でした。今年5月の転職求人倍率を職種別にみると34職種のうち24職種で前月より求人数が増え、登録者数も34職種のうち31職種で増えました。

求人が特に多いのはインターネット専門職(5.33倍)、建設エンジニア(4.24倍)、システムエンジニア(3.16倍)といった専門職ですが、最近は人事、経理・財務、経営企画、営業などでも増えています。転職情報サイト、リクナビNEXT編集長の藤井薫氏は「転職に成功する年齢の上限は35歳という『35歳の壁』説が以前は流布していたが、人手不足と好況を背景に売り手市場が続き、職種や年齢層の壁がなくなってきた」とみています。

ネットの普及で産業構造が大きく変わり、「企業の短命化」が進んでいる点も、転職が活発になった原因の一つと藤井氏は解説します。「企業の統廃合が加速し、終身雇用が揺らぐなかで人間の長寿化が進み、一企業に定年まで勤める人生設計が難しくなっている」からです。

厚生労働省がまとめたリポートによると、2010年以降、中小企業から大企業への転職が大きく増えています。リーマン・ショック後、多くの大企業は人員削減に踏み切りましたが、最近は採用を増やす傾向が強まり、大企業への転職が活発になっています。

もっとも、中小から大企業に転職した人に動機を尋ねると、「仕事の内容に興味があった」、「労働条件がよい」といった回答が上位を占め、「会社の将来性が期待できる」と答える人はあまり多くありません。同省職業安定局の久保龍太郎氏は「大企業だからといって雇用が安定していると考える人は減っている」と分析しています。

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