WOMAN SMART

白河桃子 すごい働き方革命

ロートの副業解禁「優秀な人の会社囲い込みは社会悪」

2018/7/11

ロート製薬の山田邦雄会長(左)と白河桃子さん

創業117年目の新人事制度として「副業兼業解禁」をうちだしたロート製薬。その狙いは何か? 老舗の4代目にして最高利益を記録し続ける山田邦雄会長兼最高経営責任者(CEO)に、前回の「働き方改革の原点は社員の呼び名 ロート社長の挑戦」に引き続き、副業兼業のメリットとデメリット、未来へのビジョンを伺いました。

■新規事業には突き抜けた人の力が必要

白河桃子さん(以下、敬称略) 2016年に「社外チャレンジワーク」と「社内ダブルジョブ」という副業と兼業の両制度を制定されました。どんな狙いがあったのでしょうか。

山田邦雄会長(以下、敬称略) あれこれ新規事業をやってきた経験からいうと、事業のアイデアを思いつくのは、そんなに難しくないんですよ。もっといえば、同時に100人くらいは、同じようなことを何らか思いついている。ところが突き抜けて形になるのは1つや2つしかない。結局は人次第。人の熱意と努力です。

逆にどれだけチャンスがあっても、うまくそれをこなせる人材に恵まれないと、「ああ、せっかくええとこ狙ってたのに」と残念な状況になる。新規事業に出ていこうと思ったら、結局はいい人に巡り合えるかどうかなんです。

白河 人づくりからと、いま政府も言っていますけど、企業の中でも人をつくる、そのためには副業や兼業が貢献すると思われたんですね。

山田 もっと大きな話をすれば、日本は人口減少ですし、一部にはキラキラと光っている若者軍団もいるけれど、大勢は受け身だったりする。その一部のイケイケ人材をどこかの、特に大手企業なんかが囲い込んで、しかも「活用できていない」のは「社会的悪」だと思うんですよ。最近ちょっと景気もいいですから。大手さんが数百人単位で採用する。それでは日本の社会はなり立たないですよ。

白河 オールドエコノミーVSニューエコノミーでいえば、創業100年を超える企業のロート製薬が、非常に先進的な考えを持っているんですね。

山田 僕らはオールドエコノミーになってもいかんなと一生懸命やっていますよ。その優秀な人たちは一人二役どころか500ぐらいやらないと世の中が回らないんだから。副業解禁というのは、一つの箱に押し込めておく制度そのものがこれからの日本では成立しない、そういう時代を見越した制度です。

■副業は徐々に浸透していけばいい

白河 副業というと、ハードルとしては情報漏洩とか、働きすぎとか、できない理由ばかりあげる企業も多いです。

山田 制度としては細かく設計できないので、試行錯誤しながら、社員の活躍パターンを開発中です。すでに大学の非常勤講師もいます。将来は小中学校の教員とか。週に1コマ、2コマ、現役の社会人が教えたほうがいいということもあるでしょう。

白河 最初の年は副業に66人の応募があったそうですが、どんな成果が出てきましたか?

山田 そこは焦らず徐々にでも浸透していったらいいと思っています。例えば、地ビールづくりをやっている人がいる。これは結構本格的です。これから出てくるものも含めて、もしかしたら半分出資してもいいぐらいだし、また飛び出して社内発ベンチャーになってもいい。いろいろなパターンがあっていいんです。今は空き時間にやってもらっていますが、将来には週3日が副業ということもあるかもしれない。

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