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迷子のナマケモノ ボランティアの好プレーで母と再会

日経ナショナル ジオグラフィック社

2018/7/13

ナショナルジオグラフィック日本版

コスタリカのジャングルからほど近い浜辺で、ナマケモノの赤ちゃんが、砂にまみれ、アリにたかられて浜辺に横たわっていたところを観光客に発見された。ナマケモノの子は、すぐに非営利団体「ジャガー・レスキュー・センター」に持ち込まれた。獣医が診察すると、ノドチャミユビナマケモノであることがわかった。体重は300グラムほど。生後数週間で、健康状態は良かったが、そのまま浜に放置されていたら一晩と持たなかっただろう。

「ジャガー・レスキュー・センター」のボランティアたちは、迷子になったナマケモノの赤ちゃんの鳴き声を録音。ポータブル拡声器から、その鳴き声を流しながら、浜辺近くの林を歩き回っていた。もちろん、。鳴き声を聞いたナマケモノの母親が、わが子を探しに現れるのではないかと期待してのことだ。

午後5時ごろになって、鳴き声に反応してか、おとなのナマケモノが木を降りてきた。

「興奮したボランティアから、『木から降りてくるのがいます。必死になって辺りを見回しています』と連絡が入りました」。ガルシア氏は、赤ちゃんをタオルで包み、獣医のフェルナンド・アレグレ氏とともに現場へ急いだ。

木の上にいたナマケモノに赤ちゃんを近づけると、母親はすぐにそれを受け入れた。そして、2匹は鼻をこすりつけて抱き合った。ボランティアの目には涙が浮かんでいた。

ノドチャミユビナマケモノの出産は、通常1匹ずつだ。母親は、生後6カ月まで育児をする。

スリナム共和国にある環境保護団体「グリーン・ヘリテージ・ファンド・スリナム」の会長でナマケモノの専門家であるモニーク・プール氏によると、ミユビナマケモノは地上に降りることを好まないため、この母親が子どもを受け取った際も、人間との接触をできるだけ避けたくて顔を隠しながら、強い嗅覚で自分の子であることを確認したのだろうと話す。

「ジャガー・レスキュー・センターのやったことは素晴らしいと思います。赤ちゃんは、母親と一緒にいたほうが、生き残る確率がはるかに高いです」と、プール氏はメールで説明した。

コスタリカの太平洋沿岸にある野生生物レスキューセンター「ナマケモノ協会」所長のサム・トラル氏は、今回の件も示しているように、ジャングルの縁はナマケモノの子どもにとって危険がいっぱいだと語る。

送電線に触れて感電したり、自動車事故に遭ったり、犬に襲われたりして命を落とすナマケモノが多い。木を刈り込むという一見何の害もなさそうな行為でも、彼らの生息地を破壊しているのだ。そうした危険がなくても、木から落ちてしまう赤ちゃんもいる。

(日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック 2018年5月30日付記事を再構成]

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