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卵黄だけ2回に分けて投入 パラパラチャーハンの苦闘 男のチャーハン道(3)

2018/7/1

パラパラチャーハンへの道は、卵使いがポイント?

 日本経済新聞出版社の新書、日経プレミアシリーズ『男のチャーハン道』からの第3回目。著者のパラパラチャーハンへの道は苦悩を極める。卵の調理方法で気付きが……。

◇  ◇  ◇

 さていよいよ大詰め。これまでの知見を生かしたレシピを完成させるときだ。ただ、卵の 温度問題がなあ……。

 そんなふうに悩んでいたとき、編集者から連絡が入った。実はだいぶ前に、「プロの料理人がチャーハンを作るときの温度を測定したい」と頼んでいたのだ。仕事の邪魔になるからなのか、なかなかOKしてくれる店が見つからなかったのだが、ようやく取材を受けてくれる店が現れたという。

 具材を入れても230度以上をキープすればパラパラにできる らしいことを見つけ、確信を深めつつあった。そこで、プロが作業する温度をはかって確認したいと思ったのだ。

 訪問したのは、上海出身のシェフ陸鳴さんが腕をふるう銀座の上海料理店「四季」 。チャーハンというと広東をイメージしがちだが、江南地方だって米どころ。上海でもチャーハンは普通に食べられているので、願ったりかなったりだ。

 そんなわけでプロの厨房に入り、温度計をかまえてコンロの横に張りつく。業務用コンロの火力はすさまじい。そばにいるだけで熱さが伝わってくる。

 広東鍋をコンロに置き、たっぷりの油で油慣らししたあと、大さじ2ほどの油を入れた。まずは卵を投入する。そのときの温度は272度だった。

 思ったより低い。そしてひと呼吸(4秒)もおかず、2秒後にご飯を投入した。

 このご飯は、家庭用の炊飯器を使い、目盛りどおりの水加減でごく普通に炊き、保温したもの。炊きたてを使わないが、保温時間は特に気にしていないということだ。私は午後4時ごろに訪れたので、もしランチのころに炊いたとしたら4~5時間ぐらいか。

 私のようにわざわざ電子レンジで再加熱することはなかったが(業務用コンロなので当然だ)、ごく普通に炊いて保温したご飯を使うという点は同じだった。

 さすが業務用コンロだ。卵とご飯を立て続けに投入しても、230度ぐらいまでにしか下がらない。温度が下がらないのだから、275度スタートで十分。私のように350度でスタートしておく必要はないということなのだ。

 その後の炒めは強火ではなく中火。とはいえ、これは火力が強いからだろう。家庭用コンロの中火とは意味合いが違う。なぜなら、鍋の温度はずっとは230~270度ぐらいをキープしていたからだ。

 逆にいえば、業務用コンロをもってすれば、もっと高い温度にすることはいくらでも可能なのに、「230度あれば十分」と考えているということだろう。私が見つけた「230~250度」という数字もあながち間違っていないとわかり、うれしかった。

 中華おたまの一刀流。ご飯を激しく混ぜながら、ときおり中華おたまの底でつぶして平たくし、鍋をあおって飯粒を飛ばしている。鍋をあおるときだけ強火にしているのは、飯粒が宙を舞うと温度が下がるので、それを補っているのだ。

 ご飯をある程度炒めたあと、細かく切った具を入れ、さらに混ぜたり、鍋をあおったりして完成。トータル2分19秒の作業だった。

 中華ヘラは使っていなかったが、中華おたまでぎゅうぎゅう押しつけてはいた。

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