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冷やして味わう焼きナス キャビア風やフィリピン式も

フィリピンの家庭料理、トルタンタロン=PIXTA

私は一時期、これにハマって、自分で作るだけでは飽き足らず「布教活動」までしていた。SNS(交流サイト)で友人が「今日のごはんは焼きナスです」などと書こうものなら、「奥さーん、今日は焼きナスだったんですね。もしかして1~2本余ってませんか? もし余ってたら卵液をつけて焼いて食べてみてください」とコメントをつける。

すると、たいていは「もう全部食べちゃったよ」というコメントが来る。が、なかには翌日もわざわざ作って実践してくれるくそまじめな友人もいて、「なにこれ、めちゃウマい! 我が家の定番おかずにします!」と歓喜のメッセージをくれたことがあった。

そんな絶品フィリピン式ナス料理の作り方はこちら。

【トルタンタロン(Tortang Talong)】

<材料(1人前)>

焼きナス 1本 / 卵 1個 / 塩・コショウ 少々 / 食油 少々

<作り方>

(1)焼きナスはヘタの部分を残して、竹串などで身の部分を割く

(2)卵をボウルに溶きほぐし、塩・コショウで軽く味つけし、ナスをひたす

(3)フライパンに油を入れて強火で熱したところにナスを入れる。ナスのヘタを中心に扇のようにナスを広げ、残った卵液も加える

(4)ひっくり返して裏も焼いて、できあがり

これがフィリピンでの一般的な作り方だが、私は焼きナスに片栗粉か小麦粉をまぶしてから卵液につけて焼く、つまり「ピカタ」にしている。そのほうが外側がカリカリ、中がフワッという食感が楽しめるからだ。

フィリピンではこれにケチャップをかけて食べることが多いが、私は「ショウガじょうゆ」か「ニンニクじょうゆ」、あるいは「ナンプラーやパティスなどの魚しょう+砂糖+酢」で食べるのが好き。刻んだパクチー(コリアンダー)をトッピングするのもうまい。

フィリピンは英語が公用語で物価が安く、激安で英語が学べるということで最近では留学先として人気だ。私も6年ほど前に激安留学で2カ月ほどフィリピンに滞在し、大好きな国の一つになった。

フィリピン留学に関するサイトを見ていると「フィリピン料理は日本人の口に合わないので、留学にはふりかけを持って行くといい」というようなことがかなりな確率で書かれている。私はそれがとても心外である。私が現地で食べたフィリピン料理はこの「トルタンタロン」をはじめ、本当においしいものばかりだったのだ。

トルタンタロンをキッカケに「フィリピン料理って実はおいしいのかも」と思ってもらい、フィリピン料理に対する妙な先入観を捨てていただければ幸いである。

さて、私が布教した信者からの報告によれば、「トルタンタロンにする場合は、皮をむいてから電子レンジでチンしたものでも十分おいしい」とのこと。

なるほど、貧乏人のキャビアやトルタンタロンは日本式ほどシンプルな味つけではないぶん、焼くプロセスを手抜きしてもできあがりの味に大きな差はないかもしれない。

日本のものに飽きたら、フランス式、フィリピン式にも是非トライしてみていただきたい。

(ライター 柏木珠希)


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