かつては一部のマニアだけの遊びだったサバゲーが一般に広まったのは2006年。銃刀法の改正で、野山や空き地でプレーできなくなったのがきっかけだ。代わりに、有料の専用フィールドが相次ぎ開業し、サバゲー人口が急増した。5年ほど前まで関西には十数軒しかなかったが、都心のインドア型施設も含めて続々とオープンしている。

一時のブームは収まったが、アニメやゲームの影響でサバゲーにハマる女性や、メイド衣装などのコスプレを楽しむサバゲー女子が増えている。「サバゲーはマニアだけのものではなくなっている。全体の人口はここ数年横ばいだが、レジャーとして成長するポテンシャルは高い。まずはシューティングを経験してもらい、気軽に楽しめるスポーツだということをアピールしてサバゲー人口を増やしていきたい」と白井氏。

同社はもともと障害者雇用を目的に取得した宿泊施設を白浜に所有しており、地域を巻き込んだ地域振興事業に育てていきたいという思惑もある。「白浜には年間330万人の観光客が訪れる。外国人観光客も増えているにもかかわらず、この何年も観光スポットが生まれていない。白浜で成功モデルを確立できれば、全国で進む観光地の過疎化に対応した地方振興事業として本格的に拡大していきたい」(同)。そのために施設内のイベントはもちろん、宿泊施設とのパックツアーやレンタル自転車での周遊プランなど、街全体の活性化につながる企画を積極的に打ち出していく計画だ。

三段壁や千畳敷といった観光名所にも、路線バスで行ける。他の観光施設と連携することで、街全体の活性化を目指している

県内唯一の空港である南紀白浜空港では近い将来、格安航空会社(LCC)を就航させる構想が動きだしており、インバウンド(訪日外国人)も含めた観光客数はさらに増加すると見られている。手探りで始まったレジャー観光事業だが、アパレルで培ったノウハウを生かして軌道に乗せられるのか。その手腕が試されている。

(ライター 橋長初代)

[日経クロストレンド 2018年6月19日の記事を再構成]

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