検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

週末レシピ ビーフシチュー、ワイン1本入れが決め手

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

週末レシピ、今回のメニューはビーフシチューである。しかもレトロでノスタルジックな味わいの、ビーフシチューを作ろうと思う。現代的で軽やかなビーフシチューもそれはそれで大好きなのだが、時折「ああ、あれが食べたい」と矢も盾もたまらなくなってしまうのは、昔ながらの重たい煮込みものだ。とはいえこの忙しい世の中で、シチューのルーを作るために、オーブンを3時間も占拠するのは時代遅れかなとも思う。したがって、レトロで重めの味わいを目指しつつも、あまり手をかけすぎないレシピを考えてみた。もっと手抜きも可能であるが、とりあえずはこのレシピにチャレンジしてほしい。

【材料(2人前)】

牛肉(煮込みに向いている部位) 500グラム+200グラム /  ジャガイモ 400グラム / マッシュルーム 5~6個 / デミグラスソース(缶詰) 約300グラム / 赤ワイン 1本 / 塩、バター、生クリーム 適宜 / 好みでフェットチーネなどのパスタ、ニンジンのグラッセなど

ミルポワ(ソフリット)用野菜(ミルポワとはフランス語で、タマネギ、ニンジン、セロリなどの香味野菜を刻んだものを指す。多くの場合、油でよくよくいためてから使われ、料理のコクを出す役割がある。今回は王道の3種類の野菜を使ったが、エシャロットやポロネギ、マッシュルームなどを足してもよい)

タマネギ 2分の1個 / セロリ 2分の1本 / ニンジン 2分の1本 / ニンニク 1片

【手順】

(1)ミルポワをいためる

(2)肉を焼いて鍋に入れ、ワインを1本加える

(3)肉が軟らかくなるまで煮込み、ソースを仕上げる

調理のポイントは3つ。

味のベースとなるミルポワをじっくりいためること。赤ワインを1本使って煮ること。そしてもう1つは、具材の肉と別に味出し用の肉を用意することだ。

(1)ミルポワをいためる

煮込み用の鍋に大さじ1~2のサラダオイル(分量外)とニンニクを入れ、香りが出るまでいためる。1センチ角に切ったタマネギ、ニンジン、セロリを加え、中火でじっくりいためていく。全体がよくなじむように、また野菜の甘みをよく引き出すような気持ちでいためていくといい。

野菜は1センチ角としたが、もっと短時間で仕上げる場合はフードプロセッサーで細かくしてからいためると良い。ねっとりペースト状になるのも早いし、ソースへのなじみ方も上々だ。全体に油がまわり、茶色く色づいてきたら完成だ。これがソースのベースとなる。

ミルポワをいためている間に、具になる肉の用意をしよう。煮込みに向いている部位はスネ、タンなど、そのまま食べるには硬いが味のある部位がいい。今回は牛ほほ肉を用意した。しっかり火が入るとゼラチン質がほどけ、とろけるような口当たりになるイチオシの部位だ。これを大きい塊のまま使用する。

そして味だしのための肉も用意した。こちらはスネ肉だ。どちらも小麦粉(分量外、できれば強力粉を使うこと)を表面にはたき、別に用意したフライパンで表面をこんがりと焼く。後で煮るので、中まで火を通す必要はない。

ミルポワをいためたら、その上に肉をのせ、赤ワインを1本ドボドボと注ぐ。ここでケチるかどうかが、味の分かれ目だ。後でデミグラスソースを加えるため、赤ワインではなく水でも一応ビーフシチューにはなる。なるが深みが全然違ってくるのだ。

また1本はもったいないからとちょろっとだけ使い、あとは水にするのも確実に味に響く。そして1本使ったとしてもワインの質が仕上がりに如実に影響する。そうビーフシチューとは、赤ワインの料理と言っても過言ではないのだ。懐具合に合わせ「料理に使うにはちょっともったいないかな」と思うくらいのワインをチョイスして欲しい。お金持ちの人は思い切って張り込んで。それなりの人もそれなりに気張ろう。目安は「1本使うのはもったいなくない」と自分が思えるかどうか。これが重要だ。

さてワインを注いだら強火にかけ、アルコールを飛ばすためにしっかり沸騰させる。ここでの目的は、ワインを煮詰めると同時に、風味を肉にしっかり入れて行くことだ。火は中火。何度か肉をひっくり返しつつワインが元の半量くらいまで煮詰まったら、デミグラスソースの缶を加え、よくなじませたら弱火にする。肉の大きさによっても違うが、ここからふつふつと2時間ほど煮込み、中まで軟らかくしていく。あればブーケガルニや、ローレルの葉っぱを放り込んでもいい。

煮込んでいる間に、マッシュポテトを作ろう。レトロな洋食店のビーフシチューには、マッシュポテトが不可欠だ。ジャガイモはゆでるか、蒸すか、レンジにかけるかして、熱を通す。中まで軟らかくなったら皮を向き、ボウルに入れる。熱いうちにつぶし、バターを加え、さらに混ぜる、温めた牛乳もしくは生クリームを少しずつ加え、その都度よく混ぜる。好みの硬さになったら塩で薄めに味をつける。ただ潰すだけでなく、裏ごしすればよりレストランっぽくなる。

さて、そろそろ肉が軟らかくなった頃合いだろうか。肉に串を刺して中まですっと入るようになったら、ほほ肉を引き上げ、好みの大きさにカットする。せっかく大きな塊で煮たのだもの、ここはあまり小さくせず、1人前の分量そのままドカンと大きくカットしたい。皿の上には大きく軟らかい肉塊、黒くおいしいソース、真っ白のマッシュポテト、それが理想のビーフシチューだ。

肉をカットしたらまた鍋に戻し、最後の調整をしよう。使用する缶詰の種類によっても違うが、ワインを1本も入れているためおそらく塩気が足りないと思われるので、塩を足そう。ソースはより滑らかさを増すために、野菜をこすという作業をすると本格的だ。だが都合3時間ほど煮込んで入れば野菜もだいぶ煮溶けているだろうし、あまり気にならないという人は、そのままでも大丈夫だ。肉以外の具を入れたい人は、ここで足すといい。私は大きなジャガイモやニンジンが入るのは好まないが、マッシュルームのソテーだけは入れたい派だ。なのでマッシュルームをここで加える。

食べる直前に温め直したら、最後にバターをひとかけら入れると、コクとつやがでる。皿にエレガントに盛り付けてもいいが、土鍋でグツグツ出てくれば歓声が上がるだろう。パンでもご飯でも好きな相棒を用意して食べて欲しい。

私のビーフシチューのイメージを定着させたのは、今はなき「泉」というレストランだ。もともと両親が若い頃にデートに使っていたという古い店で、残念ながら私が中学生くらいの時に閉店してしまった。最後に行った時のことは今でも鮮明に覚えている。この店のビーフシチューに夢中であること。自分もいつか恋人とデートするときは、この店でビーフシチューを食べると心に誓っていること。そんなことを中学生が生意気にも店主に、とうとうと語ったのである。

すると急に店主が「このビーフシチューのコツを教えよう」と作り方を伝授してくれたのだ。きっともうその時には、閉店することが決まっていたのだろう。最後に自分の料理のファンに、何か返したかったのかもしれない。しかしこちらは中学生。気持ちはあっても、知識も経験も何もかもが追いつかない。必死で頭にたたき込んだものの、やっと覚えられたのは「ワインはとにかくいっぱい使う。家でも1本は入れて欲しい」ということと、「メイン具材の肉以外に、味だし用の肉も入れる」という2つだけだった。

できるだけ似せてるつもりではあるが、もう記憶の中の「泉」の味もあやふやだ。泉のおじさんは、このレシピを見てどう思うだろうか。「まあまあだな」と思ってくれたら、もうそれでいい。

(食ライター じろまるいずみ)

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_