フランス革命から現代までの洋服を分解、「標本」にした「半・分解展」が関心を呼んでいる。半分にばらすことで、構造や製作技法を明らかにするとともに、試着用のサンプルを作成、その時代の装いを体験してもらう試みだ。東京で5月に開いた展示は6日間で1500人を超える来場者を集めた。6月12日には名古屋での展示が始まる。
■きっかけは100年前の消防服
主催するのは洋服のデザインから製作までを手がけるフリーのモデリスト、長谷川彰良さん。服飾専門学校の学生時代、古着店で100年前のフランスの消防服と出合ったことがきっかけとなった。
あまりに魅せられ、その理由を知ろうと分解してみたところ、「作業服なのに、ビスポーク(オーダーメード)のスーツの同じ作り方で、細部がとても美しく、感動した」のだという。
卒業後は企業に就職、モデリストとして活躍した長谷川さんだが、2016年、スーツ誕生の契機となった英国のチャールズ2世による「衣服改革宣言」から350年の節目に独立。あわせて、これまでの研究成果として「半・分解展」を初めて開催した。今回は2回目だ。
■100年前の感動を100年後に
会場では、博物館から入手したというフランスの宮廷服「アビ・ア・ラ・フランセーズ」をはじめ、肋骨状のひも飾りが施された軍服「ユサール」、第2次世界大戦の英国軍の「ストームコート」など、100~200年前の衣服を中心に展示。試着用のサンプルは分解したパーツからパターンを起こして作成した。
長谷川さんは「展示を通じ、100年前の感動を100年後に伝えていきたい」と話す。
■半・分解展
会場:ギャラリー矢田
住所:名古屋市東区大幸南1-1-1-10
会期:6月12日(火)~17日(日)
時間:午前10時~午後7時(最終日は午後5時まで)
入場料:一般2000円/学生1500円(中学生以下無料)