知ってる? USB端子には充電機能付きと無しがある
特集 バッテリーの賢い使い方(4)
記事「充電時間はケーブルで違う 実験で6倍かかる商品も」では、ケーブルによって充電時間が変わることを実証したが、ケーブルだけでなく、利用するUSB端子によっても充電時間が大幅に変わる。パソコンはUSB端子を複数備えるが、端子を替えると充電時間が短くなる場合があるのだ。
充電するなら充電機能付きのUSB端子で
パソコンのUSB端子はどれも同じように見えるが、実は充電機能付きとなしの2種類がある。端子付近に電池や充電を示すアイコンが表示してあれば、充電機能付きのUSB端子だ(充電機能付きの端子を搭載しないパソコンもある)。充電機能付きのUSB端子は、充電時に充電器並みの大電流が流れるため、充電時間が短い。
充電機能がないUSB端子でも充電はできる。ただ、スマートフォン(スマホ)やタブレットをそれに接続すると、USB端子の規格に基づいた電流しか出力しないため、電流が少なく充電時間は長くなる。もし、パソコンでスマホやタブレットを充電するなら、必ず充電機能付きのUSB端子に接続しよう。もちろん、充電だけでなくパソコンとデータのやり取りもできる。
充電機能付きのUSB端子を搭載するパソコンの一部は、パソコンの電源がオフでも、USB端子に給電する機能も付いている。電源オフの状態でも、USB端子に通電しているためで、この機能を使うかどうかは、パソコンの設定で変更できる場合が多い。これを使えばパソコンをバッテリーとして活用できるので、出張時などにも便利だ。
USBハブはなるべく充電に使わない。パソコンよりも出力できる電流が限られているためだ。電源アダプターで外部から電力を供給できるセルフパワータイプのUSBハブでも、充電機能がない限りUSB端子の規格に基づいて電流を流すため、充電時間は長くなってしまう。
iPhoneの充電は要注意
USB端子はパソコンだけでなく、プリンターやNAS、ゲーム機なども搭載している。これらの端子を充電端子として使うのはなるべく避ける。これらの端子は電流の出力が少ないため、充電時間が長くなる場合が多いからだ。できれば充電器かパソコンの充電機能付き端子を使おう。
USBホストケーブルやコネクターを使いスマホ同士を接続すると、スマホでスマホを充電できる。ただし、こちらも電流が少ないため、充電時間は長くなる。また、長時間充電すると、双方のスマホが電池切れになる可能性もあるため、緊急時に少しだけ充電するような使い方に限ろう。
一部の充電器は、スマホ用とタブレット用に分けて売られている。スマホ用のほうが小型で持ち運びしやすい利点があるが、出力が小さいため充電は遅い。
iPhoneやiPadを充電する際には、必ず対応の充電器を使いたい。機器の認識に使う信号線の電圧が異なるため、iPhoneやiPadをアンドロイド用の充電器に接続すると、機器が認識されず充電できないこともあるからだ。
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(文 原如宏、田代祥吾)
[日経PC21 2018年5月号特集「充電の裏テク」を再編集]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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