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ピアニスト須関裕子 ソロCDデビューで新境地

2018/6/9

 室内楽の共演で定評のあるピアニスト須関裕子さんがソロCDデビューした。リスト編曲のシューマン「献呈」を弾きながら、ソロで新境地を開く抱負を語る。

 須関さんは2001年、桐朋女子高校2年の時に第2回チェルニー=ステファンスカ国際ピアノコンクールで第1位になった逸材。ショパン弾きとして鳴らしたポーランドの世界的ピアニスト、ハリーナ・チェルニー=ステファンスカさん(1922~2001年)を審査員にして日本で開かれる国際コンクールだった。だが第2回大会を前にこの巨匠は亡くなり、彼女の娘が審査員を務めた。須関さんは優勝後、ポーランド各地で記念リサイタルを開き、10代で欧州デビューを飾った。桐朋学園大学音楽学部を卒業し、同研究科を首席で修了。室内楽や歌曲のピアノ伴奏でも高い評価を受け、共演者として引く手あまたの状況が続いている。バイオリニストの徳永二男氏やチェリストの堤剛氏ら大御所との共演が多い。

歌心あふれるロマン派ピアノ音楽の傑作選

 中でも桐朋学園大学の前学長でサントリーホール館長でもある堤氏からの信望は厚い。2012年には堤氏と須関さんとの共演でアルバムCD「オリオン」(発売元マイスター・ミュージック)を出した。こうした実績を背景に、満を持して2月にリリースしたソロCDが「ラ・カンパネッラ」(同)だ。

 「ソロとしては初めてのCDなので感慨深い。多くの方々に支えられて一枚の形になり、感謝の気持ちでいっぱいです」と須関さんは語る。経験豊富な実力派でありながら、こうした謙虚な姿勢が、多くの一流アーティストから共演者として声をかけられる理由の一つなのだろう。

 ソロでのデビューCDとはいっても、揺るぎない演奏技術、音楽の自然な流れ、満ちあふれるほどの歌心を確かに聴ける一枚だ。CDの内容はロマン派ピアノ音楽の傑作選といったところ。リストの「パガニーニによる大練習曲第3番『ラ・カンパネッラ』」や「愛の夢 第3番」、ショパンの「ポロネーズ第6番変イ長調作品53『英雄』」や「スケルツォ第2番変ロ短調作品31」、シューマンの「アラベスクハ長調作品18」をはじめ、ピアノの詩人たちの名曲がずらり9曲も並ぶ。それぞれの曲によって叙情と情熱、気品と躍動の詩的世界が次々に繰り広げられていく。「学生の頃からの思い出の曲や、今弾きたいと思った曲、コンサートの際にリクエストの多かった曲を入れていったら、このようなピアノ名曲集みたいになった」と言って笑う。

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