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塩麹・塩レモンの次は塩マッサ ポルトガルの「味噌」

魅惑のソルトワールド(18)

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NIKKEI STYLE

塩は調味の基本となる「さしすせそ(砂糖・塩・酢・しょうゆ・味噌)」の中に数えられている。だが、よく考えると「酢」「しょうゆ」「味噌」はその主たる原材料に塩があり、塩を使って作られているので、ある意味「塩調味料」とも言える。

塩調味料で記憶に新しいのが、一大ブームとなった「塩麹(こうじ)」。古くからあったものではあるが、ブームを経て見事に復活を果たし、すっかり一般家庭に定着した。その次に来たのは「塩レモン」だ。レモンを塩で漬けるだけという手軽さも手伝ってか、家庭での手作りに始まり、大手メーカーも参入するなど、塩麹に次ぐブームを巻き起こした。さらには、調味料として料理に使われるだけでなく、飲料との親和性が高いことから居酒屋の酎ハイメニューにも登場するほどの定着ぶりだ。さて、この2つの塩調味料に次ぐものは、なんであろうか? それは「塩マッサ」だ(と思う)。

塩麹が日本の、塩レモンがモロッコの伝統調味料であったように、塩マッサはポルトガルの伝統的な調味料で、パプリカを塩漬けにして熟成させたものだ。現地ポルトガルでは「Massa de Pimentao」と呼ばれている。「マッサ(Massa)」は「水に溶かした軟らかいもの」、「Pimentao」が「パプリカ」という意味なので、直訳すると「水に溶かした軟らかいパプリカ」となる。その形状から表現すると、「パプリカのペースト」である。

日本でいう味噌やしょうゆのような存在で、ポルトガルの家庭では炒めものからパスタまで、様々な料理に使われている。日本で知られ始めたのは2015年前後からで、ポルトガル料理に精通し、『マッサ MASSA パプリカでつくる美味しい調味料』(池田書店)というレシピ本も刊行している料理家の栗山真由美さんがテレビ番組で紹介したことから、じわじわと広がり始めた。

この「塩マッサ」が次なるブームとなるだろう、と感じたのは塩麹・塩レモンとの共通項があまりにも多いからだ。

それは「昔から家庭で使われてきた塩調味料」で、「原料を塩で漬けて熟成させるだけ」なので「家庭で簡単に作れ」、塩漬けにして熟成させることで「うま味が増し」、「冷蔵庫で長めに保存できる」上に、「色々な料理に使用できる」という点だ。

さらに、パプリカにはビタミンCやカロテノイドの一種であるカプサンチン、そしてビタミンEやビタミンP(ビタミンCを熱や酸化から守る働きを持つ成分)が多く含まれている。しかも、見た目が美しく、扱いも容易とくれば、大ヒットを期待せざるを得ない。

作り方はいたって簡単。じわじわと知られてきているとはいえ、まだ市販品はほとんど流通していないので、ぜひトライしてみてほしい。

<材料>

赤パプリカ 2個 塩 パプリカの重量の10%

<作り方>

(1)ヘタと種を取ったパプリカを縦に6~8等分し、塩を全体にまぶして、重しをして冷蔵庫に入れておく。

(2)1週間後にはたっぷりと水があがってくるので、キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ってから、1日天日干し。

(3)(2)をフードプロセッサーでペースト状にしたらできあがり。

これだけで冷蔵庫に入れて数カ月は持つが、さらにフレッシュなまま保存したい場合は、瓶などに移し替えて、オリーブオイルを注いで空気を遮断しておくと良い。なお、塩の浸透脱水作用は2%以上で働くので、パプリカの重量の2%の塩を使ってもできないことはないが、上記のレシピに比べると保存性が低くなる。塩の量を減らした場合は、1週間のうちに使い切ることをお薦めしたい。

また、日本に流通しているパプリカは主にオランダ産、韓国産、国産だ。だが、時期や生産地により、小ぶりのもので80g~100g、大ぶりのもので200gほどと、重量にかなり差があるので、面倒臭がらずにヘタと種を取り除いた部分の重量を計り、塩もそれに合わせて計量して使用するのが、おいしい塩マッサを作るポイントだ。

パプリカが原材料と聞いて、青臭そうと思うかもしれない。ところがどっこい、その香りはまるで加熱したかのように甘い。さらに、うま味がとても強く、もちろん塩漬けにしているので、しょっぱさも感じる。つまりは、なんにでも合いやすく、これ1つで味が決まる。さすが、「ポルトガルの味噌・しょうゆ」と称されるだけのことはある。

また、美しい色がそのまま残るので、赤パプリカで作れば鮮やかな赤色に、黄パプリカやオレンジパプリカで作れば、美しい黄色やオレンジ色の塩マッサができあがる。3種類仕込んでお皿に盛りつければ、それだけで、見た目にも華やかになるし、それぞれ異なる味わいで、ソースとしての役割も果たしてくれる。

もちろん、シンプルな組み合わせなので、塩麹や塩レモンと同じく、使う塩によってもできあがりの味が異なる。次は、おすすめの塩と、「塩マッサ」を使ったおすすめのレシピをご紹介しよう。

塩マッサを作る時には、ナトリウム以外にマグネシウムを含んだ塩がおすすめだ。ナトリウムだけの塩の場合、しょっぱさが強くなりがちだからだ。マグネシウムを多く含んだ塩のほうが、しょっぱさをまろやかにすることができるし、熟成が早い傾向がある。

また、結晶が大きい粗塩を使うとゆっくりと浸透していくから良いと言われているが、結晶が大きくても小さくてもあまり気にする必要はない。短期間の漬け込みであるうえ、かなりの量の水分が出てくるからだ。手に入れやすいもので例を挙げるとすれば、「わじまの海塩」や「粟国の塩釜炊き」「海の精」などがおすすめ。

次に、塩マッサの使い方だが、要は味噌・しょうゆと同じなので、かなり幅広く使える。特に油と相性が良いので、まずはいため物の調味料として使ってみると良いだろう。ポルトガルでは「豚肉とアサリのいため物」がポピュラーだ。動物性のうま味と魚介類のうま味、そして塩マッサの野菜のうま味が3重に合わさった、うま味たっぷりないため物だ。

また、マヨネーズやクリームチーズに混ぜると、彩りが鮮やかになり、さらにうま味の豊かなディップソースとしても活躍してくれる。クラッカーや野菜スティックをディップして食べると、手が止まらないほどのおいしさだ。

混ぜるという意味では、ポテトサラダを作る時に混ぜ込むのもおすすすめ。「え?この色なに?」と、ちょっとした驚きをもたらすので、持ち寄りパーティーの時などに試してみてほしい。もちろんそのまま冷ややっこやキュウリなどの上にトッピングしたりしても、十分においしい。

塩マッサは本当に万能で、パスタソースとしても活躍する。「アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ」(オイルと唐辛子のシンプルなパスタ)にちょっと混ぜるだけで、一気にうま味が強くなる。もちろんクリームソースのパスタとも相性が良いので、市販のカルボナーラソースにちょっと混ぜてアレンジ、なんてことも可能だ。

そして、スープのベースにもなる。冷蔵庫の残り野菜をオリーブオイルでいためて、そこに水とマッサを入れるだけで、おいしくて栄養価たっぷりのスープのできあがりだ。

ご覧の通り、塩マッサは「そのままのせる」「ほかの調味料と混ぜる」「味付けのベースとして使う」と、その用途は幅広い。

パプリカは6月~8月が旬なので、これから大ぶりで甘味が強いものが安く流通する時期だ。興味が湧いた人は、ぜひ作ってみてほしい。2週間後には、「これすごくおいしくて便利!」と重宝していることだろう。

(一般社団法人日本ソルトコーディネーター協会代表理事 青山志穂)

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