若い女性の大量発汗・体重の異変… バセドウ病かも不調が続く甲状腺疾患(中)

日経ヘルス

2018/6/11

バセドウ病は妊娠適齢期に発病しやすく、不妊や流産、早産の原因になることもあるが、「しっかり管理すれば妊娠出産も大丈夫」と山田院長は話す。

出産後に起きやすい甲状腺のトラブル

「育児って、こんなに疲れるの!?」──。出産後に動悸や疲れ、体重減少がひどく、産後うつと思っていたら、実は甲状腺の異常だったという例も少なくないという。「女性は出産することで体質が変わることが多い。体調が悪い人は一度、甲状腺の検査を受けてみてほしい」と山田院長は呼びかける。

出産後に起こりやすいのが「無痛性甲状腺炎」だ。甲状腺ホルモンの産生量は正常だが、甲状腺に蓄えられていたホルモンが血液中に漏れ出ることで、ホルモン値が一時的に上がる。バセドウ病と間違えられやすい。

「蓄えられていたホルモンが数カ月かけて放出されたら、ホルモン値は自然と元に戻る。ところが、バセドウ病と間違って早々に投薬を始めると、ホルモン値が下がりすぎたり、回復しなかったりすることがある」と山内理事長は話す。甲状腺ホルモンの数値だけでは診断が難しいので、抗TSH受容体抗体も調べてもらい正しい診断を仰ぎたい。甲状腺疾患に詳しい医師に診てもらうと安心だ。

山田惠美子さん
金地病院(東京都北区)院長。東京女子医科大学卒業。同大学病院内分泌内科(現内分泌センター)を経て、1991年から甲状腺専門病院の金地病院院長を務める。日本内科学会総合内科認定医、日本甲状腺学会専門医。
山内泰介さん
山内クリニック(さいたま市)理事長。愛媛大学医学部卒業。野口病院、伊藤病院などを経て、2012年に甲状腺専門外来を開設。日本甲状腺学会専門医、内分泌外科専門医。著書に『症例解説でよくわかる甲状腺の病気』(現代書林)。

(ライター 佐田節子)

[日経ヘルス2018年6月号の記事を再構成]

日経ヘルス 2018年 7 月号

著者 : 日経ヘルス編集部
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