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勝つ確率を極める USJ変えた「数学マーケター」 刀CEO 森岡毅氏

2018/5/30

刀CEOの森岡毅氏

 2010年度に700万人台にまで落ち込んでいたユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)の入場者をV字回復させ、「数学マーケター」と呼ばれる森岡毅氏。パークの運営会社ユー・エス・ジェイのチーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)として、「成功確率を高める」という独自の方法で次々と企画をヒットさせ、16年度の入場者は過去最高の1460万人を記録した。17年に独立してマーケティング会社の刀を設立し、最高経営責任者(CEO)を務める森岡氏に「森岡メソッド」の秘密を聞いた。

■どう戦うかより、どこで戦うか

 ――USJで実践した「森岡メソッド」とはどんなものですか。

 「大きく分けて3つあります。1つは数学分析を使って成功確率の高い戦略は何かを解き明かすものです。どう戦うかよりも、どこで戦うかが重要。戦って勝てる確率が高いところで戦う、勝てる確率が高い相手と戦う。それは数学的に解き明かしていけます。これを数学マーケティングと呼んでいます」

 「2つ目はマーケティング戦術です。色々な方法があって、例えばホームページをどうつくるか、テレビCMをどうするか、価格をどう設定して値上げをどう成功させるかなど、一般的にマーケターがやると思われている仕事がこれです。私は感覚ではできなかったので、優れた人のやり方を体系化して、強みを抽出するということをやっていました。コピー忍者と呼ばれていましたね(笑)」

 「3つ目は、戦略と戦術を実行できる組織をつくることです。USJは私がいなくなっても好調を維持できています。それはノウハウだけでなく組織をつくったからです。これが私の一番重要なメソッドだと思っています。組織をつくる能力とマーケター能力の両方がないといけない。それをセットで投入するのが刀という会社です」

 ――どこで戦うか、目標設定の間違いは多くの企業でありそうです。USJではどこが間違っていたのでしょうか。

 「私が入社した当時の年間集客数は、過去最高だった01年度の1100万人から約400万人も下がっていました。一番間違っていたのは、プレーするグラウンドの範囲が異様に小さかったことです。端的に言うと、映画だけのテーマパークにこだわっていた。人はなぜテーマパークに行くのか。一言でいうとエキサイトするため。エキサイトメントを起こす方法は映画以外にもたくさんあります」

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