なぜ名古屋がコスプレ聖地に? 仕掛け人は元TVマン編集委員 小林明

――それが世界コスプレサミットの原点になったんですか。

2003年秋に開いたコスプレイベントのポスター。世界コスプレサミットの原点になった

「そうです。ただその時点ではトークショーと撮影会だけのイベントで、コスプレのコンテストはしていませんでした。コスプレの世界コンテスト(チャンピオンシップ)を初めて実施したのはその翌々年の05年。その年は7チームが参加し、イタリア代表が優勝しました。ただコンテストはこの1回だけで終える予定だったんですよ。経費も作業も大変でしたから。招待した各国代表の交通費、宿泊費、食費や諸経費などは今でも主催者がすべて負担しています。当初はさらに渡航費用まで払っていて、相当な出費でした。でも社会的な反響が大きかったし、参加者からも『ぜひ続けてほしい』という要望が強かったので、イベントを継続することになったんです」

費用拡大で赤字続きも、可能性を感じて事業継承

――その後のプロセスは順調でしたか。

「僕は05年にテレビ愛知を退社し、広告会社を設立したので、しばらくは外部からイベントの様子を見ていました。もちろんファンの1人として毎回来場していましたし、イベントの規模が徐々に拡大してゆくのもとてもうれしかったのですが、11年のイベントが終わったころ、テレビ愛知の関係者から『財政事情が厳しくて、イベントをこのまま開催してゆくのが難しいかもしれない』と聞かされたんです。もともと自分が立ち上げたイベントですから思い入れは人一倍強かったし、自分なりに営業して、全日本空輸と第一興商にもスポンサーになってもらったばかりだったので、ここでイベントをやめたらスポンサー企業に申し訳ないことになると思いました」

「それと同時に、名だたる大企業がイベントに協賛してくれたことで、僕はビジネスとしての世界コスプレサミットの可能性も改めて感じ取ったんです。たとえ今は赤字であっても、きっとビジネスとして大きく成長するはずだ。日本政府もクールジャパン戦略を後押ししており、追い風も吹いている。そこで12年にWCSという会社を設立し、イベント全体を僕が引き取ることにしたんです」

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